先月末に、黄変ネガ写真補正 B チャンネル再建法ツールを Ver. 5.1 にバージョンアップしてから、まだあまり時間が経っていませんが、先日お知らせしたようにImageJ 本体の Ver. 1.54へのアップデートにより問題が発生していますので、取り急ぎ Ver. 5.21 をリリースします。今回もユーザインターフェースの変更は一切ありません。なお、Ver. 5.1 で GIMP 用プラグインの入れ替えを行っていれば、今回 GIMP 用プラグインの入れ替えは必要ありませんが、Ver. 5.01 以前からバージョンアップする場合は、GIMP 用プラグインの入れ替えも必要です。
■バージョンアップ内容
1. 2023/7/10 以降始まった ImageJ / Fiji の Ver. 1.53* → 1.54* への自動アップデートに伴い出ていた不具合の修正。
2. 32bit 画像対応に関するバグフィックス。
1. に関しては、先日 Ver. 1.54 にバージョンアップすると不具合が出るとの記事を書きました。ImageJ のリリースノートには詳細が書かれていないので、よく分からなかったのですが、そのあと、Ver. 1.54 の挙動を検証してみて、この不具合は ImageJ のバグによるというよりは、どうも仕様変更によると考えるべきではないかと思われました。詳細は後日別記事にてアップしますので、ImageJ のプログラミングに関心のある方はそちらをご覧ください。
ともあれ、Ver. 1.54* で不具合が出ないように対応したほうが良いと思われましたので、今回急遽その点を修正しました。今のところ気付いた範囲では、既存のプログラムにおいてガンマ補正を使っている場合、ImageJ 本体の Ver. 1.54 へのバージョンアップによって、16bit 画像処理にて不具合が出ます。Bチャンネル再建法ツールではガンマ補正を使っていますが、相対RGB色マスク作成ツールや、新輝度マスク作成ツール、画像チャンネル間相関計算ツールに関しては、ガンマ補正を使っていませんので、そのままご使用いただけると思います。
それ以外で、不具合が出る可能性のあるツールについては (たぶんユーザは少ないと思いますので) 今後徐々に対応していきます。
なお、本バージョンは ImageJ Ver. 1.53 以前でも問題なく動作します。
2. に関しては、その後の ImageJ における 32-bit 画像の扱いの検証の中で分かった、前回のバージョンアップで不十分だった点を修正しました。自分としては、今回のバージョンアップで、32bit 画像においてもおおむね実用的に使用できる段階に至ったと考えています。
なお、前回のバージョンアップで記したように、一般的な 32-bit フルカラー TIFF ファイルを扱うためには、ImageJ に付属する bio-format plugin のバージョンが、6.12.x 以上になっている必要があります。
■ 32bitで大きなサイズの画像を処理する際の注意
前回のバージョンアップでも記しましたが、再度記しておきます。Ver. 5.1で、32bit画像に関してネイティブ対応になりましたが、これにより処理するメモリサイズが不足する可能性が出てきました。メモリ搭載量が 8G 程度のPC では、32bit の ピクセルサイズの大きな画像を扱う場合、Java のメモリヒープ領域不足エラーが出る場合があります。この場合、ImageJ の [Edit] → [Opsions] → [Memory] 設定からメモリ量を増やすことで解決する場合もありますが、物理的に PC のメモリ搭載量を増やさないと解決しない場合もあります。ご注意ください。
なお、1920 x 1080 程度までのサイズでしたら 8G 程度のメモリでも処理可能です。
本プログラムのダウンロードはこちらからどうぞ。
本ツールのマニュアルは、以下の各ページをご覧ください。
5-1. 具体的な補正実施手順 - 準備
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なお、本記事で紹介した写真補正技法やソフトウェア (Plug-in) は個人的用途および非営利目的であれば自由に使っていただいて構いませんが、本技法を使って何らかの成果 (編集した写真等) を公表する場合は、本記事で紹介した技法を使った旨クレジットをつけて公表していただくことをお願いします。
また、本ソフトウェアは現状のまま提供されるものし、作者はこれを使ったことによるいかなる損害補償等にも応じられないことを了解の上使っていただくものとします。
但し、もしソフトウェアのバグがありましたら、ご連絡いただければなるべく改善するよう努めたいと思います。
営利・営業目的で使用される方は別途ご相談下さい。
また、私の作成したPlug-inも自由に改変して使用していただいて構いませんが、その成果を公表する場合はご一報下さい (公表しない場合は特に連絡は必要ありません)。またその改良した結果を私の方で自由に利用させていただくこともご了承下さい。
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