省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

黄変ネガ写真補正 Bチャンネル再建法ツール Ver. 5.1 バージョンアップ

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[お知らせ]

 これから当ツールの使用を考えていらっしゃる方は、以下の注意事項をお読みください。

yasuo-ssi.hatenablog.com

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 当サイトで、黄変ネガ写真補正 B チャンネル再建法ツールを公開してから3周年になりました。これに合わせて、4月にバージョンアップした、黄変カラーネガ写真補正用 Bチャンネル再建法ツールを、バージョンアップします。なお、紛らわしいですが、前のバージョンは 5.01 今回は、5.1 です。

 今回はユーザインターフェースの変更は一切ありません。ただし今回のバージョンアップのメリットを生かすには GIMP プラグインの入れ替えが必要になります。

■バージョンアップ内容

1. 暗部補正レイヤー (画像の黒の締まりがない時に補正するためのレイヤー) で必要だった、不要部分の透明化の作業を、マスクを掛けることで不要にした。

2. 32bit 画像に関して、作業途中で16bit に落とすことなく、一貫して 32bit で処理するようにした。

3. その他コード整理

 

1. に関しては新たに不要部分を透明化するためのマスク画像を追加し、それを読み込ませることで、マニュアルによる透明化の作業が不要になり、手間が一つ減りました。ただしこれにより GIMP で読み込むファイル内容が変更になっていますので、GIMP のファイル読込用プラグインに関しても、今回のバージョンアップで同梱されているものに入換が必要になります。GIMP プラグインを入れ替えないと、従来と変わりがなくなってしまいます。

2. 3. に関しては一般のユーザには直接関係がありません。

 32bit 画像は、値の範囲が決まっておらず、意図せず値が変化することが多くて非常に苦労していましたが、ようやく8~9割ぐらいはその挙動が分かってきましたので、今回全面的な プロセスの 32 bit 化に踏み切りました。とはいえ、32bit画像を扱うメリットは一般の方にはあまりないと思うので、ほぼ自分の勉強のためです。まだ半ば試作的な段階です。

 なお、一般的な 32-bit フルカラー TIF ファイルを扱うためには、ImageJ に付属する bio-format plugin のバージョンが、6.12.x 以上になっている必要があります。

 また本プログラムのコードが、機能追加を繰り返した結果、旅館の増設状態でスパゲッティ化してきており、自分としてもメンテナンスに苦労していますので、メンテナンスしやすいようにコードの整理に着手しましたが、まだ作業途中状態です。

 今回、本プログラムのコードが 1800行ほどになりました。そのうち、600行ほどがユーザインターフェース関連で、実質的な画像加工コードは 1200行程度です。ただ、複数の補正方法を選択できるようになっているので、ある補正工程を選択した場合、400~500行ぐらいのコードで処理しているものと思われます。仮にその作業が Photoshop でマニュアル処理可能だとしても (Photoshop でも画像計算機能は備えているので、ある程度の作業はカバーは可能とは思います)、本プログラムがカバーしている作業工程を、おそらくマニュアルで行えば、仮に作業工程を理解していたとしても、最低4~5時間分の作業量になると思います。

■ 32bitで大きなサイズの画像を処理する際の注意

 今回、32bit画像に関してネイティブ対応になりましたが、これにより処理するメモリサイズが不足する可能性が出てきました。メモリ搭載量が 8G 程度のPC では、32bit の 6000 x 4000 ピクセル程度もしくはそれ以上の画像を扱う場合、Java のメモリヒープ領域不足エラーが出る場合があります。この場合、ImageJ の [Edit] → [Opsions] → [Memory] 設定からメモリ量を増やすことで解決する場合もありますが、物理的に PC のメモリ搭載量を増やさないと解決しない場合もあります。ご注意ください。

 今まで試した範囲では、32-bit 画像であっても、1920 x 1080 程度であれば 8G 程度のメモリでも十分処理可能なのですが...

 

 本プログラムのダウンロードはこちらからどうぞ。

 

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 なお、本記事で紹介した写真補正技法やソフトウェア (Plug-in) は個人的用途および非営利目的であれば自由に使っていただいて構いませんが、本技法を使って何らかの成果 (編集した写真等) を公表する場合は、本記事で紹介した技法を使った旨クレジットをつけて公表していただくことをお願いします。

 また、本ソフトウェアは現状のまま提供されるものし、作者はこれを使ったことによるいかなる損害補償等にも応じられないことを了解の上使っていただくものとします。
 但し、もしソフトウェアのバグがありましたら、ご連絡いただければなるべく改善するよう努めたいと思います。

 営利・営業目的で使用される方は別途ご相談下さい。

 また、私の作成したPlug-inも自由に改変して使用していただいて構いませんが、その成果を公表する場合はご一報下さい (公表しない場合は特に連絡は必要ありません)。またその改良した結果を私の方で自由に利用させていただくこともご了承下さい。

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