省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

GIMP 編集 Tips: GIMP で darktable のスポットカラーマッピングに近いことをやる

 GIMP の pixls.us におけるオンラインディスカッションにおいて、GIMP上で画面上で無彩色点が得られない場合、どうやってホワイトバランスを調整したらよいか、という議論がありました。

discuss.pixls.us サンプルで挙げられている画像ですが、全体的に青っぽく色被りしています。但し、この青被りした白が真っ白ではなく、若干クリームがかった白だということです。darktable ですと、このようなホワイトバランスの調整方法としてカラーキャリブレーション・モジュールにあるスポットカラーマッピング機能があります。

 しかし、GIMPでも同様に調整する方法を pixls.us の主宰者 Pat David 氏が指南しています。というよりおそらく Pat David 氏のホワイトバランス調整方法を自動化したのが darktable のスポットカラーマッピング機能ではないでしょうか。解説は以下にあります。

patdavid.net ここで説明に使われている例は、ある白人女性の肌の色をフェルメールの真珠の『耳飾りの少女』の肌の色に近づける補正を行うというものです。手順は次のようになっています。

1. 白人女性の画像の上に、『耳飾りの少女』の画像をレイヤーとして読み込みます (以下のリンクの画像)。こちらは元の画像の色調を調整するための参照レイヤーになります。

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/vermeer-initial.jpg

2. GIMPのルーラー部分上で Ctrl + 左クリック(Mac の場合は Command + クリック) し、そのままマウスをドラッグして(注意: 左クリック後離さずそのままドラッグする)女性の顔部分の参照点を選択します (下記リンク画像)。

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/sample-point-first.png

3. 参照点が決まったら、メニューから [ウィンドウ] → [ドッキング可能なダイアログ] → [サンプルポイント] を選択します。

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/Sample-point-first-dialog.png

 

4. 再び 2 と同じ手続きを行って今度はフェルメールの画像上で2番目の参照点を選択します。この2番目の参照点は、1番目の参照点を、その色に合わせて色を変えるための参照点です。この2番目の点は、サンプルポイントのデータを見て、なるべく元の色と同じ明るさの場所を選びます。

 

5. ここで、サンプルポイントをHSVモードに切り替え、参照点を移動して、2つの点のV の値が揃う場所を探します。

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/Sample-point-value-match.png

 

5. 次にサンプルポイントをピクセルモードに戻し、さらに元のオリジナルレイヤーを選択し、メニューの [色] → [トーンカーブ] を使って、元のレイヤーの1番目のサンプルポイントのRGB値を2番目のサンプルポイントの値に合わせるよう調整します。

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/Sample-point-rgb-match.png

(Red の調整)

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/earring-red.png

(Green の調整)

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/earring-green.png

(Blue の調整)

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/earring-blue.png

 

6. 但しこの時点でまだトーンカーブの OK ボタンを押さないでください。今度は先ほどの場所より暗い二箇所(オリジナルレイヤーと参照レイヤー)の参照点を、2と同様に選択します。そして再びサンプルポイントをHSVモードに切り替え、参照点をやはり動かして、V の値を2つのサンプルポイントで合わせます。

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/Sample-point-value-match.png

https://patdavid.net/2012/07/getting-around-in-gimp-more-color/workspace-1.jpg

7. 再びサンプルポイントをピクセルモードに切替え、[トーンカーブ] で 5. と同様に RGB値が一致するよう調整します。

 

8. ここで、一旦トーンカーブを保存します

 

9. ただし、この作業で望ましい結果が得られないかもしれません*1。その場合は、別の肌の点で2つのサンプルポイントを上記と同様に選び出し、上記の調整過程をやり直して、望ましい結果が得られるまで続けます。

10. 望ましい結果が得られたら、そのトーンカーブを保存しておくと、この色調調整編集を他の画像にも適用することができます。

 

 なお、サンプルポイントを選択する際に、スポイトツールを使ってサンプルポイントをピックアップするのではなく、 GIMPのルーラー部分上で Ctrl + 左クリックしそのままドラッグするという面倒なことをやっていますが、これはスポイトツールだと複数のサンプルポイントを設定することができず、かつそのポイントを保持することもできないためです。

 

 

 

*1:その理由としては、この調整が単独のピクセルベースで行われるからです。参照するピクセルにある程度の幅 radius を指定できると、より良い結果が得られやすくなるはずです。また、オリジナル画像と参照画像の間で適切な二箇所の参照点が見つかる保証もありません。