省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ART Mac OS版の現状について (2024.3 現在)

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[2024.7 追記]

 以下のリンクに、2024.7 現在の Mac OS 用ビルドの情報を掲載しておきました。

yasuo-ssi.hatenablog.com

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 ART の Mac OS版ですが、すでに公式ページにあるように、正式リリースはなく (開発者の A. Griggio 氏は Mac ユーザではないので、今後とも Mac OS 公式版が出る可能性は少なく、ボランティアによるリリースになると思われます)、Richard Barber 氏による実験的バイナリーファイルが配布されているだけです。最新バージョンは、1.21.1 です。ダウンロード URL は下記です。

https://art.r42.us/

 なお、アクセスするのに、AppleID でのログインが求められます。

 なお、個人的に試してみたところ、昨年までは Macbook Air ARM版 (M1) + Mac OS 14.x 環境でこのバイナリーでも起動しませんでしたが、今年、1/3 に公開されたバイナリーから走るようになっています。記事執筆時現在、1/29 にアップされたバイナリーが最新になっています。

 ただまだバグっぽく、エラーコードとともに、ART は予期しない理由で終了しましたというエラーメッセージを発しますが、ちゃんと動いている、ということがよくあります。とは言え OS の自動更新のおかげかエラーメッセージを発する頻度が少なくなってきました。また CTL スクリプトも動かないようです。Homebrew を使って CTL をインストールしたのですが、認識しないようです。インストールの仕方を変えると動くのかもしれませんが未解明です。

 なお、OpenColorIO 対応については、OpenColorIOをインストールすれば、対応 CLF 形式 LUT は問題なく動くようです。

 またコンテキストメニューから ART を開けるのも Mac 版バイナリーのメリットです。

 また、日本語表示もWindows, Linux 版ですとシステムの言語設定を自動的に引き継いで最初から日本語表示になりますが、Mac OS では、環境設定で明示的に日本語に変更する必要があります。因みに、Linux で開発された FOSS では、Mac OS の言語設定を自動的に取得できないケースが多いようで、digiKam なども同様です。

 なお、デフォルトの設定ファイル類ですが、アプリケーションフォルダの下の ART.app/Contents/Resources/share/ の下にあるようです。

 

 Mac OS版の実験的バイナリーで動かない場合は、Wine 上で、ART を動かすことになります。ただし、Wine 上の ART ですが、おそらく OS の細かなアップデートと Wine の不整合で、一部フォルダや外部ストレージへのアクセスにトラブルが生じる場合があるようです。Wine をアップデートすれば解消するかもしれませんが、断言できません。

 どうも Mac OS 上ではアプリと OS の微妙なバージョンアップで不具合が起こることが Windows よりも頻繁に起こる印象があります。あるいは Apple 推奨のコンパイラではなく、gcc などを使ってコンパイルされているせいかもしれませんが...