省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

darktable の悪名高いハイライトクリッピングのピンク化をどう補正するか

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 darktable のデフォルトのトーンマッピングモジュールである filmic RGB を使うと、空などでハイライトクリッピングが発生したときに、悪名高いサーモンピンク現象が発生します。filmic RGB の代わりに Sigmoid を使うと発生しにくいですが、完全に発生を防げるとは限りません。

 これに対して pixls.us のオンラインディスカッションで、色々な補正方法が提案されています。関心のある方はご覧ください。highlight reconstruction を使う、filmic V5にバージョンダウンし、クロミナンスを保持せずに使う、Sigmoid を filmic の代わりに使うなどの方法が提案されています。

discuss.pixls.us

 なお、余談ですが、オリンパス / OM Sysrem の Raw ファイルは darktable と特に相性が良いようです。これは、オリンパスのセンサーはサイズが小さく、ピクセル当たりの面積が小さいため、ダイナミックレンジが低くなります。このため、ハイライトクリッピングが起こりやすくなります。これを避けるため、オリンパスのカメラは、他社のカメラよりも、暗めに画像を撮影し、その後カメラ内現像でブーストするということを行っています。Raw ファイルベースでは、名目上同じ ISO で撮影しても、他社カメラに比べて実質1段低く記録されていることになります。但し、オリンパス純正現像ソフトでは、やはりデフォルトでブーストされるので、暗めに記録されているのに気づきにくいかもしれません。しかし、そのおかげでハイライトクリッピングが起きにくく、darktable においてもサーモンピンク現象が起こりにくくなっています。

 またホワイトバランスも ART に比べてデフォルトでより良く補正されるような印象を受けています。