省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

DP Review の富士フィルム X-T50 カメラ評

 8 月末、DP Review に富士フィルムのカメラ X-T50 の最終評が掲載されました。

 

www.dpreview.com

 評価としては 85% シルバー評です。DP Review では APS-C 機に関してはシルバー評になる傾向が高いですが...

 北米の本体希望価格は $1399 ドルで、同クラスのライバル機として Canon EOS R7 ($1499)、Sony a 6700 ($1399)、Nikon Z50 ($959) が挙げられています。

 主要スペックとしては、画像のピクセルサイズ 40Mp、電子ファインダー 2.36Mドット 0.62倍 x 17.5mm、背面液晶 3インチ、1.84Mドット チルト式、カメラ内蔵手ぶれ防止 最大7EV、連写速度、機械式シャッター秒速 8枚、電子式 秒速 20枚、ビデオ解像度 6.2K / 30p、4K / 60p、マイクソケットあり、ヘッドフォーンソケット USB-C兼用、カードスロット 1x UHS-II、内臓フラッシュあり、電池あたりの撮影枚数 背面液晶 305枚 / 電子シャッター使用時未公表、重さ 438g、大きさ 124 x 84 x 49mm、となっています。

 軽さ、重さは上記ライバル中最小・最軽量、他ライバル機にない内蔵フラッシュ、そして手振れ防止は Canon と並んで最強、そして画像のピクセルサイズの大きさはクラス最強といったところです。一方電池あたりの撮影枚数はクラス最短、電子ファインダーの大きさも0.62倍とクラス最小 (以前のモデルと同等) というあたりが弱点です。これは筐体がかなり小さいのでやむを得ないのかもしれません。連写スピードも今一つです。

 センサーは上位機 X-T5 と同じで、画質も当然同等という点が強みです。撮影上の解像度も他ライバル機をしのいでおり、クラス最強です。画像のダイナミックレンジは、他の富士フィルムのカメラ同様かなりブーストされており、その代わり暗部で多少ノイズが多い傾向ですが、他のライバル機に十分匹敵するクオリティを確保しているとしています。

 富士の売り物のカラープロファイルは、ダイヤルから選択できるようになっています。標準の「プロビア」プロファイルが肌の色合いと色の鮮やかさのバランスで最も良いと評されています。

 ボディは新設計で、AF用ジョイスティック付きです。顔認識と対象認識は他の富士のカメラと同様別になっています。

 

 キットレンズは新しいものが採用され、以前は 18-55mm だったのが 16-50mm となりました。焦点距離の範囲は若干短くなりましたが、フルフレーム相当で、24mm はじまりとなりより広角域がカバーされました。個人的には 24mm 始まりの標準ズームは必須だと思いますので、これは良い方向だと思います。またインナーフォーカスが採用され、より AF の速度が速くなったと富士フィルムは主張しています。レンズ内蔵手振れ防止は省略されましたが、本体に内蔵されかつ強力なので問題はないとしています。また防滴仕様になっています。

 また同クラスのキットレンズは手抜きで作られることが多く、性能面では今一つである傾向に対し、本レンズはそのようなことがない一方、キットレンズつきセット価格の希望価格が $1800 と他ライバル機に比べやや高めになっていると指摘しています。

 キットレンズを使わない場合は、Sigmaの 18-50mm F2.8 DC DN が、軽さ、長焦点域での明るさで、より良いプレミアムレンズとしての選択肢となると指摘しています。

 オートフォーカスに関しては弱点で、AF-C モードで対象を外す確率が高く、動きものに対してはライバル機に一歩劣ります。スポーツや動物、子供などの撮影はあまり向かないと評されています。ビデオでも対象認識は働きますが、これも今一つのようです。

 なお、Adobe のソフト(ACR)だと 富士のX-Transのカラープロファイルの良さを十分には引き出せないとも指摘されています。

 マーケットのターゲットとしてはカメラ入門者となっていますが、キットレンズのクオリティは競合ライバルよりも高いとはいえ、価格もアップしてしまうのが泣き所です。またカメラ入門者にこの価格を納得してもらえるか、というところも課題になりそうです。とは言え、ベテランが使ってもフィルムプロファイルの選択のしやすさなど楽しめるとしています。また、動きものには弱いので、主に風景写真、静物写真を撮る方向けと言えそうです。

 

 なお、日本向けには 16-50㎜の キットは限定販売のようで、通常は 15-45mm キットのようです。ちなみに国内価格はボディ本体が 22万円前後、16-50mmキットは30万円前後となっています。ボディはアメリカの希望価格から考えると 1$ = 157円、キットは、1$ = 166円ぐらいの計算で、キットが割高になっています。XC15 -45mm キットは、約24万弱ぐらいです。