省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

Nikon Zf が発売予定 & 新レンズ Plena 発表

 Nikon が新しいミラーレス機 Zf を10月中旬に発売するということです。Nikon FM2 をインスパイアするカメラということですが、主さが本体のみで 630g バッテリー等込みで 710gもあります。FM2は私も愛用したカメラですが、重さは550g 程度でそれよりも重くなっています。フルサイズという点では同じですが...

www.nikon-image.com 因みに値段の方ですが、マップカメラで予約の案内が流れてきましたが、40mm F2 の固定焦点レンズ付きキットで 33万円以上です。FM2ですが、私が買った1990年代前半ぐらいでは確か 7~8万円程度、ズームレンズを入れても10万円したかどうか... それから物価もそれほど変わっていないと思います。

 

 当時 FM2 を買ったのは Nikon のカメラとしては軽量で価格が手ごろだったためです。しかし 33万円という価格、確かにZ9 や Z8 より安いからお手頃... と思っているのかもしれませんが、2000年頃でも 当時のフラッグシップ F3 でも20万円しない程度でしたし、重量も 700g 強です。

 

 しかも今は海外生産です。

 もちろん今はカメラ全体が売れてはいませんが、それでも FM2 をインスパイアするというならレンズキットで 15万円前後、重さも 100g ぐらい軽くできなかったものか... って それって Nikon Zfcのスペックか... 結局 Nikon Zfc に手振れ補正を載せてくれて、ピクセルサイズもD5600並みに戻してくれればってことなんですがねぇ...

 カメラのコンセプト自体は間違ってはいないとは思いますが、価格と重さが全然 FM2 じゃない... これならD780を買ったほうが.... あるいは Z5か... 個人的には Z5 がもう 50g 軽くなって、価格も現行同様だったら購入しようと思っています。

 

 どうも Nikon のミラーレス機ってミラーレスにする必然性のないカメラが多いように思いますが...

 

 因みに以下に DPReview の initial review があります。アメリカでは Z6 II と同じ $2000ドルが希望価格であり、同じ希望価格ならスペックが向上した分お買い得、という感じです。Z6 III が出ていない以上、実質 Z6 II の後継と受け止められているようです。

https://www.dpreview.com/reviews/nikon-zf-full-frame-mirrorless-camera-review

 

 性能面ではボディ内手振れ補正が8段となっており、Canon のライバル機はレンズ補正と合わせて8段なのでこれはクラス断トツです。日本の電子掲示板などでは、Z6II に関して 追尾AFの性能の低さが指摘されていましたが、initial review では、Z8, 9 ほど追尾 AF は粘らず(予想されていたことだがとのこと)、時に外すことがあるとの評価。但し瞳などの検知オートフォーカス対象に関しての追尾は良好とのことです。おそらくZ6 II より改善はされているでしょう。

 またマルチショットモード (ピクセルシフト撮影) を搭載してきています。Nikon は他メーカーに比べこのモードの採用に消極的でしたが、ただあまり実用的ではない (三脚等が必要なので) と評されています。

 電池の持ちはさほど優れているわけではなく並み、といったところのようです。

 FM2 をフィーチャーしたと言われると、断固違うと思いますが、Z6 II と同じ価格で、かつその後継モデルと考えるなら、お買い得でしょう。

 

なお、こんな記事もあります。

fujixweekly.com

 Nikon は Zf でどこが間違っているか、という記事です。掲載元は富士のカメラを熱狂的に押す個人のサイト (Fuji X Weekly) なので、割り引いて考える必要があると思います。しかし、だめな点として指摘しているのは、絞りリングが省略されている (Z レンズに全般的に該当)、また、Nikon Zf は決してだめなカメラではなく、おそらく今まで Nikon が作ったデジタルカメラの中で最高だとは思うけれど、富士のカメラには追いつかない、としています。その理由は、X-T5 に比べると、価格、サイズ、重さ、jpeg出力+フィルムシミュレーション、絞りリングを省略した必然的な結果として設置したシューティングモードスイッチが非直感的という点です。

 なお、X-T5 の画素数はは 40M, Zf は24M ですが、その点はこの記事の著者は24M あれば十分なので考慮しないと述べています。

 結論としては、Zf は非常に良いカメラで(特にこのサイトの筆者は日本の古典的なカメラデザインの熱狂的なファンのようなので)、Nikon ファンなら Zf は非常に魅力的だけれど、Fuji ファンなら、Zf に変えようと思うほどの魅力はない、と論じています。

 なお、絞りリングがないからダメという主張は、他の方のコメントで批判も出ていますが...

 

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 なお、Nikon は本日新しいレンズ Plena を発表しました。Plena とはシリーズ名ではなく、レンズの愛称のようです。リリースはこちらです。

www.nikon-image.com

 58mm F0.95 (重さ 2kg) の 100万円越えレンズ Noct に準ずるレンズになるのではないかと噂されていましたが、デジカメWatch によれば店頭予想価格は 40万円前後だそうです。重さは約 1kg です。

 

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 なお Zf の古典カメラを模したコンセプトといい、Plena といい、デジタルカメラ自体が成熟して、性能や機能で他社を凌駕、差別化できなくなってきたので、イメージ戦略で価格の"高級"化を図るという Nikon の方向性が出てきているようです。