省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

富士フィルム X100V が買えないどうしたら...? - DP Review より

 DP Review に「富士フィルム X100V が買えない... 代替機は?」という記事が掲載されました。

https://www.dpreview.com/articles/5691709034/can-t-find-a-fujifilm-x100v-what-are-the-alternatives

 とにかく、欧米では X100V の人気が上がり (TikTok が一役買っているようです)、希望小売価格 (アメリカでは $1399) を大幅に上回るプレミアムを支払わないと到底買えないようです。半導体不足で生産量が減っている上に、海外での供給を絞っているのではないかとDP Review は憶測していますが...

 そこで、希望小売価格と同じ価格帯の代替機を検討しています。

 一つ目は Canon EOS M6 ii + 22mm F2 レンズ、もしくは Olympus PENシリーズ + 17mm F1.8レンズ。北米では、E-PL10 しか供給されていないようです。Canon EOS M6 ii は背面液晶がチルト式というのもポイントのようですが、EF-M レンズの今後の供給に懸念が示されています。

 サイズがより大きくても構わないなら Sony a6x00 + Viltrox 23mm F1.4 も候補に挙がると述べています。Nikon のZ fc + 26mm F2.8 に関しては、見栄えは良いが、視野率が低いのと、レンズの動作が遅く価格が高いという点が気になるとの指摘も。Nikon は D5600 をディスコンにしたのはまぁ理解できるにしても、せっかく AF-Pレンズでハイスピードな動作を実現していたのに、APS-C の Zシリーズでは防塵防滴性が改善された以外はことごとくスペックダウン & 価格アップになっているのがねぇ... ミラーレス化が自己目的化して、レフ機のAPS-C にあった魅力を大幅に削ぎ落としているというのが... まぁ愚痴はやめましょう。

 富士の 27mm F2.8 もやはり動作がのろくて価格が高いと指摘されています。パナソニックの 20mm F1.7 II も魅力的だが動作がのろいのと、つけるべきボディが見当たらないとも指摘されいます。

 固定レンズ式のカメラでは、Ricoh の GR III および GR IIIx が挙げられています。光学/電子ファインダーの切替は欠いていますが、X100Vと同じAPS-Cをもち、X100V (35mm相当) に近い 40mm相当の画角 (よりワイドが良ければ GR III) があることが指摘されています。

 あとは中古で X100F という選択もあると指摘されています。

 とはいえ、この記事を見ると、DP Review が X100V をどういう観点から評価しているかが見て取れます。

・光学式/電子式ファインダーが切替えられて、他にない撮影経験を提供している

フィルムカメラを思わせるクラシックな外観とダイアル中心の操作体系

APS-C のセンサーに、26Mピクセルの高精細度

・固定式ながらも、35mm 相当という使いやすい画角に、動作反応の早いレンズ

 

 しかし Nikon ユーザーとしては、2番目を除いては最近の NikonAPS-C カメラの方向性と反対の方向であるのが気になります。なお、手振れ防止機構はついていませんが、フルフレーム 35mm 相当の画角なので比較的手ブレが目立ちにくく許されると思います。

 富士フィルムは X-T5, X-H2 で、APS-C カメラでも 40Mピクセルのセンサーを搭載していますし、さらに最大 7 段のボディ内手振れ防止機構も搭載してきており、クラシックスタイル以外は Nikon と正反対の方向性を目指していますが、それが海外では高い評価を得ています。40Mまでいるかどうかは分かりませんが、重さも手頃であり、富士フィルムの方向性はAPS-Cミラーレスの正しい方向性であるように思われます。バッテリーの持ちも、同じバッテリーを使いながらも、前モデルより改善されています。