バージョンが3.6.1になって、ようやくWindows環境でdarktable3.6が使い物になるようになりました。そこで今動作確認中です。まず、すでに指摘したと思いますが、3.4から3.6に変わって、デフォルトのワークフローが、ディスプレイ参照ワークフローから、darktableで推奨するシーン参照ワークフロー(リニアワークフロー)に変わりました。
それと前にいじっていた画像を再び読み込んで動作の違いを見ているところですが、高ISO画像におけるノイズ低減が大幅に改善されました。これは特筆ものです。以下サンプルを示します。
まず、一切補正のないRawTherapeeによるニュートラル現像結果を再掲します(Nikon D5500で撮影)。
拡大してみると盛大にノイズ、というか粒子がはっきり出ています。
次は、以前3.4の時にノイズ低減を掛けた結果を再掲します。
まずまずではありますが、粒子の荒れが今一つです。粒状の均一感、細かさという点でNX Studioの結果に負けていました。
次は、3.6.1です。
3.4で編集したファイルを3.6.1で読み直しただけですが、いきなりあれだけノイジーだった画像の粒子が細かくなりテクスチャも非常にスムーズになっています。前回サンプルでお見せした、他のRaw現像ソフトも使った、どのサンプルも上回っています。劇的な改善です。 denoise(profiled)モジュールの改善がかなり大きいようです。なおこのモジュールは現像済みの画像にも一応掛けられますが、現像済みファイルでは効果が小さいです。Rawファイルに適用してください。
今回ノイズ低減関係でオンにしたモジュールは、denoise(profiled)、hotpixels, sharpen のみで、いずれもデフォルトの設定でパラメータは動かしていません。あと、lens correctionsやhaze removal、chromatic aberrations等もオンにしていますが、これはノイズ低減には関係ないはずです。
ただ、今回の機能改善と引き換えに3.4に比べてわずかに動作が重くなっている印象です。またCanonのCR3形式Rawファイルには一部の機種のみ対応です。
なお、このdenoise(profiled)は当然ながらカメラ用のプロファイルデータを参照して補正を行います。ということはカメラ固有のノイズ低減用プロファイルデータがないと汎用的なプロファイルが適用され、このようなクリティカルな画像の場合十分に働かない可能性があります。カメラに固有のプロファイルデータがあるかどうかは、以下のページをご覧ください。またこの効果の大小はカメラのプロファイルデータの質に依存する可能性がありますので、カメラ機種によっては十分な効果が得られない可能性があります。
この中で、noise profile が yes になっていれば対応しています。
また、サポートされていないカメラのノイズプロファイルのつくり方は以下に掲載されています... が、自分でコンパイルしないといけないようです。基本要Linux環境になるかと...
------------------------