今回は、初心者向けの ART の基本編集操作として、画像のサイズ変更とトリミングを解説します。
サンプルファイルは pixls.us の Play Raw からクリエイティブ・コモンズライセンスが与えられているファイルを使います。今回は以下のスレッドにある akgt94 氏のファイルをお借りします。
■画像のサイズ変更
変形タブにあるリサイズ・モジュールを使います。
リサイズの条件指定は下記の4つです。
・スケール
元の画像の何%のピクセル数にするかを指定します。拡大も可能です。DPI を指定すると画像の物理的な大きさも指定することができます。
・幅、高さ
幅もしくは高さを、ピクセル数または物理的サイズ (cm またはインチ) で指定します。物理的サイズを選んだ場合は PPI を指定することで実際のピクセルサイズが決まります。
・最大表示領域 (バウンティングボックス)
バウンティングボックスとは、指定した範囲に画像の最大径が収まるようにサイズ変更をします。例えば 900 x 900 ピクセルを指定すると、画像の長径が900ピクセルに収まるように縮小します。バウンティングボックスでは分かりにくいので [最大表示領域] と訳してあります。
例えば画像が縦長か横長か分かりませんが、とにかく長径が 900 にしたいという場合、最大表示領域を 900 x 900 にしておけば、縦長画像なら縦 900 に、横長なら横 900 に揃えてくれます。
なお、これらのサイズ変更の設定は出力するときに反映され、オリジナルファイルに変化はありません。オリジナルファイルが上書きされることがない、というのが、GIMP や Photoshop などの画像編集ソフトとは異なる、Raw 現像ソフトの特徴です。Raw 現像ソフトでは、Raw ファイルを読み込むことが前提とされていますので (もちろん Raw ファイル以外の TIFF や Jpeg, png ファイル等も読込める) 基本的にオリジナルファイルに書き戻すということが前提とされていません。
■トリミング (切り抜き)
これはやはり変形タブの下にある、切り抜きモジュールを使います。
上の [範囲選択] ボタンを押し、プレビュー画像上でマウスを使って切り抜く範囲を選択します。このボタンを一旦押すとボタンの表示が [終了] に変わります。つまり [終了] と表示されている間は範囲選択が可能ということです。
[縦横比固定] にチェックがついていると、元々の画面の縦横比と同じ範囲しか選択できないので、自由なサイズにトリミングしたい場合はチェックを外します。
範囲選択が終わったら [終了] ボタンを押します。
すると選択外部分が表示されなくなります。またボタン表示は [範囲選択] に戻ります。
このトリミングも、オリジナルファイルには適用されず、出力するファイルのみに反映されます。