省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

鉄道色のレファレンス (1): 湘南色

 写真カラー補正のため、色のレファレンス値を示しておくことが重要になると思います。以下、シリーズで鉄道の色のレファレンスとなる値を掲示していきます。1回目は湘南色です。

 湘南色は1949年に登場し、東海道線に投入された、80系で初めて採用された色彩で、湘南地区西部や静岡の特産である蜜柑にちなんだ色ともいわれてきましたが、Wikipediaの記述によるとアメリカのグレートノーザン鉄道の色がヒントになったとされています。80系が新製投入された東海道線および高崎・上越線で採用後、さらに後継の113系, 115系, 153系, 165系, 169系など近郊・急行用電車もその塗色を踏襲し、また113, 115系に押し出された80系が、山陽線中央西線などに活躍の場を移すにつれ、湘南色の範囲も広がっていきました。結局、113、115系ともども湘南色の電車の走った範囲は、一部の国電区間を除く、国鉄直流電化範囲の大半に及びました。ただ個人的には若干けばけばしい塗装があまり好きではありませんでした。

 なお使った写真はWikipediaの「湘南電車」から引用しています。またRGBの値はRawTherapeeを使って測定し、RGBの値は%表示 (最暗部 0 % 最明部 100%) となっています。これを通常の0-255表現に直すには、25.5を掛けてください。画像をダブルクリックすると大きく表示されます。

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サンプル1
〔出典:ウィキメディア・コモンズ ©​Japanese Wikipedia user Shellparakeet, CC BY-SA 3.0,〕

 

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サンプル2 
〔出典:ウィキメディア・コモンズ ©​Japanese Wikipedia user anonym, CC BY-SA 3.0,〕

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サンプル3
〔出典:ウィキメディア・コモンズ ©​Japanese Wikipedia user W0746203-1, CC BY-SA 3.0,〕

 最後は筆者が撮った写真です。周囲が薄暗くなってきた夕刻に撮りました。

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サンプル4 (筆者撮影写真)

 湘南色は、国鉄の規定では黄柑色と緑2号の組み合わせになっています。Wikipediaによりますと緑2号のRGB値は(53, 79, 51) [%表記、20.8, 31.0, 20.0]だそうですが (つまりRとBの値はほぼ等価)、実際にはR, G, B比は 2: 3: 3 程度に写っていることが多いようです。ただ筆者が夕方に撮った写真(サンプル4)に関しては、Wikipedia通りRとB値が近い値になっています。また、天気などの状況でやや青みがかった場合はB が Gよりやや高く、晴れの順光だと、GがややBより高いようです。また光が写りこんだり、周りの景色が反射すると、この限りではありません。

 黄柑色に関しては、R, G, Bの比が、Rが1に対して、GがRの5~6割、さらにBがGの5~6割という比に写っているようです。これもWikipediaによるとRGB値は(202, 106, 31) [79.2, 41.6, 12.2%]とされています。写真ではBのRGB値が高めに写っていることが多いようです。ただこれも筆者の撮った写真では、Bの値が、Wikipedia通り、やや低めに写っています。

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