ここまで、NX StudioやAdobe Standard DCPファイルによる現像処理の比較事例をお見せしてきておりますが、今回は鉄道写真です。以前お見せした、人工物の多い食堂の室内写真でも色相の差自体は少ないのが確認されました。今回もほぼ人工物オンリーなので色相の差は少ないことが予想されます。カメラは Nikon D5500です。
コントラスト、明るさには差がみられますが、肉眼ではほぼ色相差がありません。但し、意外にもAdobe Standardとそれを露光補正したもので若干差があります。後者は黒が締まっています。これはAdobe StandardをExpeed4互換並みにダイナミックレンジをそろえるときに黒ポイントを調整して、シャドウ部のダイナミックレンジを広げたのですが、その際黒を締めるため、若干色相が変わったようです。
特にExpeed4互換と、Expeed6相当は、明るさ、コントラストを含めて、肉眼では全く差が分かりません。
ヒストグラムを確認します。
山のかたち、間隔に違いはありますが、R, G, Bの相互の山のピークの相対的位置のずれは、どのヒストグラムもほぼなく、一致しています。唯一あるのはAdobe Standardを露光調整したもので、シャドウ部の赤のすそ野の形が異なりますが、これはシャドウ部の黒を締めた結果と思われます。その部分だけ色相が多少ずれていると言えます。
Expeed4互換とExpeed6相当では、最も暗いシャドー域でのみ、Bの分布の違いがそこそこありますが、ほぼ彩度が0に近い領域なので、肉眼では色の違いがわからない状態です。
やはりコントラストや明るさ、そのグラデーションの差はあってもほぼ色相差はなしとみてよいと思います。