先日D5500のRawファイルを使って、水田の緑の各処理の違いを比較検討しました。今回はD3200のRawファイルを使って、芝生の緑の処理の違いを比較検討します。要はExpeed3の植物の緑表現を検証しようという訳です。この前の検証では、青空に関しては、Expeed3はExpeed4よりもむしろExpeed6に近いようなところもありました。一方、冬の森林では、緑の部分で、黄色いはずのAdobe StandardとExpeed3との差があまり感じられませんでした。ということはExpeed3の緑表現は結構黄色いのではないか...
写真は芝生に咲く、タチイヌノフグリです。まずExpeed3互換と6相当の比較から。
明らかにExpeed3互換の方が黄色味が多く、Expeed6相当は黄色味が少ないです。4月に撮影しており、新緑期なので緑に黄色みが強いのは当然ですが、それにしてもExpeed3互換は黄色味が強いようです。青空ではそんなことはなかったのですが...
RGB値を見てみます。
当然ながら、R, G間がExpeed6相当の方が相対的にひらいておりB値も高めです。
次はAdobe Standard DCPファイルを適用して、RawTherapeeで処理した結果とExpeed3を比較します。ヒストグラムのダイナミックレンジをExpeed3互換に合わせるために、露出・トーンカーブ調整を行っています。
やはり思った通り、黄色っぽいはずのAdobe StandardとExpeed3互換は非常に似ています。それどころかExpeed3の方がごくわずかに黄色いです。どうやら、Expeed4より3の方が緑は黄色がかっているようです。黄色味の強い順に、Expeed3互換>Adobe Standard露出調整>Expeed6となりました。Nikonが黄色いという話はExpeed3(or それ以前も?)の緑の処理の話のことだったのか。
RGBも見ます。
RGB的にはやはりExpeed3互換とかなり似ています。
これに関してはExpeed6相当処理が個人的にも、やはり良いと思います。
ヒストグラムで確認してみましょう。
Expeed3とAdobe StandardのRとGの山の形と位置が非常似ています。Adobe Standardを露出調整するとExpeed3よりもRとGが乖離します。RとGが接近すると緑色は黄色っぽくなるので納得の結果です。
それに対してExpeed6相当の処理が、一番RとGの山が乖離しており、またBのピークの位置も最も高いです。これが最も黄色味が少ないのもはっきりしました。
なお、ニュートラルではRとGの山がかなり接近していますが、同時にB値が意外に相対的に高いので、そこまで黄緑っぽくありません。因みにR, G値が接近し、B値が高くなると鶯色の方向になります。
なるほど。Nikonが黄色いと言われるのはExpeed3以前のカメラの緑色の処理に主因があるようです(青空はAdobe Standardほど黄色くありません)。とはいえ、Adobe Standardで満足できるなら、Nikon Expeed3以前の黄色傾向も、問題にならないはずです。なお、当然ながらExpeed3以前のカメラを使っている場合は、NX Studioを使って、最新のピクチャーコントロールを使うことでこの問題は解消されます。