[2024.8追記]
本記事では、主としてバイナリーファイルをダウンロードしてインストールする方法を解説しています。但し、現在のバイナリーファイルは iBus での入力に対応していません。つまりファイル名を漢字で入力したり、メタデータのコメント欄に日本語で記入ができません。できれば、自分でビルドすることをお勧めします。
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Linux ユーザになって2日が経ちました。Linux (Ubuntu) をインストールしてみて、darktable や GIMP に比べて ART のLinuxへのインストールが初心者にとって難しいことが分かりました。darktable や GIMP は、Ubuntuのソフトウェアセンターのような機能からスマホのように簡単にインストールすることができます。ところがARTは登録されていません。もう一つ、sudo apt install art を使ってみましたが、これを使ってインストールすると、見慣れないコマのマークで起動画面が現れます。あれっと思うと Ver. 1.2 という古いバージョンがインストールされてしまったことが分かりました。sudo apt list --upgradable art で探しても、出てきません。まったくupgradable ではありません。
結局、公式サイトからバイナリーをダウンロードしてくるか、新たにコンパイルしてインストールするしかないのですが、それが動くなるようになるまで情報を探しまくって四苦八苦しました。というわけで以下自分の備忘録を兼ねてインストール方法を記録しておきます。
■バイナリーをダウンロードしてインストールする
0) 依存するパッケージのインストール
apt というパッケージ管理ツールが使えないので、まず自分で依存するパッケージをインストールしなければならないようです。初心者はまずその依存関係を調べてスクリプトを書くというのがハードルになると思います。そのインストールですが、以下のサイトの記述を参考にします。
www.dpreview.com ここの 1. にあるコマンドをターミナルコンソールから入力して実行します。ターミナルコンソールの開き方は以下の図をご参照ください。
上の端末というアイコンをクリックして、ターミナルコンソールを開きます。そしたらコンソールから、上のコマンドを入れますが、この記述の最後に libraw-dev を追加してください。上の記事が書かれたときはまだ ART は libraw を使っていなかったと思います。つまり以下のようになります。コピペして使っていただいてよいと思います。コピペの際は頭の $ は除いてください。
$ sudo apt install build-essential cmake curl git libcanberra-gtk3-dev libexiv2-dev libexpat-dev libfftw3-dev libglibmm-2.4-dev libgtk-3-dev libgtkmm-3.0-dev libiptcdata0-dev libjpeg-dev liblcms2-dev liblensfun-dev libpng-dev librsvg2-dev libsigc++-2.0-dev libtiff5-dev zlib1g-dev libraw-dev
ただこの前に $ sudo apt update -y を実行しておいたほうが良いのかもしれません。
なお、ネットを見ていると、インストールする際のコマンドに apt を使っている場合と apt-get を使っている場合がありますが、その違いは以下の説明のようです。
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[追記]
・ART の最近のバージョンには OpenColorIO が含まれているため、GitHub リポジトリを複製して($ git clone https://github.com/AcademySoftwareFoundation/OpenColorIO.git)インストールします:
※訳注 やはり cd ~/OpenColorIO で複製したソースコードディレクトリに移動してください。
mkdir /tmp/ociobuild
cd /tmp/ociobuild
cmake -DOCIO_INSTALL_EXT_PACKAGES=ALL -DOCIO_BUILD_PYTHON=OFF ~/Documenten/GitHub/OpenColorIO/ ~/OpenColorIO
※上記は、ソースコードを保存したディレクトリが ~/OpenColorIO であることを前提
make -j 4
sudo make install
・また、Ver. 1.21 より、CTL がサポートされましたので、CTL のインストールする必要があります。手順は下記のとおりです。
sudo apt-get install libilmbase-dev
sudo apt-get install libopenexr-dev
sudo apt-get install libtiff-dev
git clone https://github.com/ampas/CTL.git
cd ~/CTL
$ mkdir build && cd build
$ cmake ..
$ make
$ sudo make install
1) ART バイナリーファイルのダウンロード
次に、以下のダウンロードサイトから ART_x.xx_linux64.tar.xz (x の部分はバージョン番号)ファイルをダウンロードします。
2) ダウンロードしたファイルの展開 (解凍)
ダウンロードされたファイルをダブルクリックし、アーカイブマネージャーで開きます。
それと、現在日本語翻訳ファイルに Linux 上の表示で若干問題があります(※2022.2追記 Ver. 1.12.1以降問題はありません。下記の手続きは必要ありません)。当サイトの以下のページから日本語翻訳ファイルをダウンロードしてください。
yasuo-ssi.hatenablog.com そして、ダウンロードした Japanese ファイルを、展開したファイルの日本語翻訳ファイルと置き換えてください。展開した ART のディレクトリの下にある language ディレクトリの下に Japanese ファイルがありますのでこれを置き換えます。これはコンソールを使わなくても置き換えられます。
3) ダウンロードディレクトリからインストールディレクトリへのコピー
ターミナルコンソール(端末)を開きます。
コンソールのカレントディレクトリを、以下のコマンドで [ダウンロード] にします。
$ cd ダウンロード
そして以下のコマンドで展開した ART のディレクトリを /opt ディレクトリにコピーします。以下のコマンド例ではコピー先ディレクトリ名を art に変えていますが、その部分は適宜変えて構いません (例えば ART-1.12 など)。
$ sudo cp -r /ART-x.xx-linux64 /opt/art
※なお Ubuntu 等 Debian系Linux ではバイナリーをダウンロードしたアプリケーションソフトは、/opt ディレクトリの下に入れるのが慣例のようです。他の Linux ではどうか分かりません。
また、一人のユーザしか使わない場合は、/opt 以下にインストールすると、管理のためにルート権限が要求されるので面倒です。その場合は、以下のコマンドで、 ~/programs/art 以下にインストールしてください。
$ cp -r /ART-x.xx-linux64 ~/programs/art
4) 起動確認
以下のコマンドで /opt/art に移動し
$ cd /opt/art (もしくは、$ cd ~/programs/art )
以下のコマンドでARTを起動します。
$ ./ART
これで ART のバイナリーがインストールできました。
5) 起動リンクの作成
いちいちコンソールに移動してコマンドを打つのは面倒なので、起動リンク (アイコン) を作成し、簡単に起動できるようにします。まずホームディレクトリから .local/share/applications に移動します。頭に . が付くディレクトリは隠しディレクトリなので、ホームディレクトリで Ctrl + H キーを押し、隠しディレクトリを表示させてから移動します。
この上で右ボタンを押して[端末]を起動するとカレントディレクトリが .local/share/application でコンソールが起動します。そこで以下のコマンドを打ちます。
$ touch ART.desktop
すると以下のリンクファイルができます。
このファイルをダブルクリックしてエディターを起動し、以下の内容を編集して書き込みます。Version という部分は、最新のバージョンのバージョン番号を入れてください (以下の例では 1.12 にしています)。
また Exec は今ARTを入れているディレクトリが例では /opt/art なので以下のように書いていますが、この名前を変えた場合は適宜変えたディレクトリ名を書き込んでください。
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[Desktop Entry]
Version=1.12
Type=Application
Categories=Graphics;
Name=ART
Comment=
Exec=/opt/art/ART
Icon=/opt/art/images/ART-logo-48.png
Path=/opt/art/
Terminal=false
StartupNotify=false
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※緑色の部分は状況によって変更がありうる部分
編集を終了し、スタートボタンを押すと以下のようにARTのアイコンが現れるはずです。
■コンパイルしてインストールする
以下の記事をご覧ください。
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何か初歩的な間違いを書いていましたら、ご教示いただけますと幸いです。
なお、こちらの記事もご参照ください。