省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

画像編集には、8bit 画像ではなく16bit TIFFファイルを使おう

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 フィルムをスキャンした画像ファイルの補正を行う場合、オリジナルファイルが jpeg (形式上 8bit 固定) だったり、8bit TIFFファイルである場合もあるかと思います。ところで、そのような場合でも一旦画像を 16bit TIFFファイルに変換してから補正を行うことを強く勧めます。というのは、8bitのままだと、諧調数が256と少なく、編集の過程でトーンジャンプが盛大に起こる可能性が高いです。人間の目が識別できる色の諧調は256程度で十分とされています。しかし、画像編集の過程で色調やトーンを変化させていると、諧調が少ないと、丸め誤差のため、諧調はさらに減ってしまいます。最終出力は256諧調で十分であっても、編集過程ではより多くの諧調があったほうが良好な結果が得られます。これはデジタルカメラにおいて、最終出力が撮って出し Jpeg (8bit固定) であっても、センサーは必ず、12もしくは14bit (4096 or 16384諧調) であり、8bit センサーを採用することがないのと同じです。因みに 16bitだと 65536諧調になります。

 また jpeg などの不可逆圧縮形式の画像の場合は、目でははっきり分からなくても、情報量の低下が非常に大きく、編集過程では不可逆形式の画像を使うべきではありません。オリジナルがJpegしかないという場合はもちろん仕方ありませんが、その場合でも編集過程の劣化を抑えるためにTIFFなどの、可逆形式に変換してから編集を行うべきです。

 画像を16bit TIFF ファイルに転換する方法として、とりあえず下記の2つの方法をお示しします。

■Raw現像ソフトを使用する

 ART や darktable などの Raw現像ソフトを使って、16bit TIFFに変換する方法です。以下ART を使った場合について説明しますが、もちろん RawTherapee や darktable でも可能です。

ARTにおけるファイル出力

 ARTは読み込んだ画像を出力する際に、画像形式を選べますので、そこで、TIFF (16 bit) を選択して出力します。なお、出力ボタンは、画像のプレビューイメージの左下のフロッピーディスクのアイコンです。

GIMP上で16bit TIFFに変換する

 GIMP上で16bit画像に変換する場合は、まず、メニューの[画像] → [精度] → [16 bit 整数]を選択します。

GIMP上での bit深度の変更

 次に、ファイル出力を行う際に、メニューの[ファイル] → [名前を付けてエクスポート]を選択し、TIFF形式で出力します。

名前を付けてエクスポート

 これを選ぶと、ファイル名を指定するダイアログが出ます。その際、ファイルの拡張子を必ず tif と書いて、エクスポートボタンを押します。GIMPでは、拡張子名を記述することで、出力ファイル形式を指定しますので、ファイル名を指定する際は、必ず拡張子の記述を忘れないでください。

ファイル名の指定ダイアログ

 他にも 16bit TIFFファイルで出力可能な画像処理ソフトは有償・無償各種あります。但し、比較的普及率の高い有償ソフトである Photoshop Elements は8bitにしか対応していませんので、この目的には使えません。

■一旦トーンジャンプを起こしてしまった画像については...

 一旦、トーンジャンプを起こしてしまった画像に関しては、ART, RawTherapee, darktableといった、Raw現像ソフトに読み込ませ、トーンをいじる編集をおこなうと、ジャンプしたトーンを補間する効果があります。GIMPにおいて、16bitで編集を行うと、トーンジャンプを減らす効果はありますが、一旦発生したトーンジャンプを補間する効果はありません。このサイトで紹介している補正例で、最後に Raw現像ソフトに読み込ませて画像を調整して出力しているのはそのためです。

 

■32bit画像はだめなの?

 なお、これらのソフトでは、32bitでの画像出力も可能です。但し、Bチャンネル再建法を使う場合、いまのところ 画像読み込みを担当する bio-format プラグインが 32bit カラー画像に対応していないため、32bitカラー画像が扱えません (モノクロ単チャンネル32bit画像は扱えます。また ImageJ自体は、内部的には、32bit画像を扱う機能は備えています)。そのため、拙作のプラグインも、現状32bit画像での動作を想定していません。なお、bio-format プラグインの今後のアップデートで32bitカラー画像が利用可能になるかもしれませんが、当面、Bチャンネル再建法を使う場合は、16bit (整数) のTIFF画像で出力して下さい