省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

Bチャンネル再建法ツール ハイブリッド・アルゴリズム実装版 Ver. 4.81 バージョンアップ

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 先日、本ツールをバージョンアップしたばかりで申し訳ありませんが、マイナーバージョンアップを行います。今回のバージョンアップ内容は、ノービスモードで緑保護オプションをチェックした際に (つまり Type4 マスクを作成した場合)、同時に Type2 マスクも出力するようにした点です。ダウンロードはこちらから。

 この理由ですが、前回のバージョンアップで以下のように書きました。

「なお、緑部分の補正抑制効果を強化したため、空の黄変など、補正を抑制したくない部分も、緑保護オプションを使うと、抑制される副作用が出る場合がありますが、これについては、当面、マスクの編集 (補正を抑制したくない部分を白塗りにする) で対応をお願いいたします」

 ただし、一点問題点に気づきました。というのは Type4マスク、つまり、青の保護と緑の保護を併用した場合、青の保護部分(Type2)と緑の保護部分(Type4)の切り分けが難しい場合があるため、マスクの編集が難しくなる可能性がある点です。

 例えば以下のサンプルですが...

オリジナル

 近景補正レイヤー用のType4マスクを作ると以下のようになります。

緑保護オンの際の近景補正レイヤー用マスク (Type4)

 ところが緑の保護オフだと以下のようになります。

緑保護オフの際の近景補正レイヤー用マスク (Type2)

 上の2枚を比較すると、緑保護の機能が強化されたために、空や、電車の車体の上半部など、保護しなくても良い部分も保護されてしまっていることが分かります。しかし、マニュアルで空や車体の保護を解除するために白塗りをしようとすると、困難に直面します。

 というのは、以下の丸を付けたような部分は、青の保護部分と緑の保護部分が連続してしまっており、手作業では切り分けが難しいからです。そのためマニュアルで不必要な部分を白塗りするのは非常に難しくなります。

切り分けの難しい部分

 このような場合、Type2 マスク画像も別途出力し、適宜切り貼り編集を行えば、編集が容易になります。下図は、空の部分の緑保護を無効化したいので、GIMPに読み込んだ Type2 マスク画像上で自由範囲選択指定を行っています。

Type2マスク上で範囲指定

 この範囲指定部分をコピーして、Type4 マスクに貼り付けます。

上の範囲指定部分をコピーし Type4マスク上に貼り付けたところ

 このようにすることでマニュアルでは切り分けが難しく編集が難しい画像でも、マスク編集が比較的容易になります。

 というわけで、Type4 マスクを指定した場合、同時にType2マスクを出力するよう変更しました。なお、同時に作られる Type2 マスク画像は、GIMP読み込みプラグインでは自動で読み込まれませんので、必要なら手動でレイヤーとして読み込んでください。ファイル名は、*******_R+128(Type2).tif です。

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 営利・営業目的で使用される方は別途ご相談下さい。

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