Wine を使うと、古いバージョンなら Microsoft Office も動くという話をネットで見かけました。手持ちに、以前使っていたけれども今パソコンから外している Office 2010 があるので試しに Wine 上でインストールを試したところ、見事に途中でコケました。
まあ、そんなにうまい話が転がっているわけはないな、と思っていましたが、また検索を掛けてみると、Play on Linux という Wine のフロントエンドプログラムを使うと、インストールできるというような情報があります。ただ、日本語環境で Play on Linux を使うには、単純にインストールしただけではだめなようです。以下に、日本語環境における Play on Linux のインストールの仕方の指南がありましたので、それに従ってインストールします。
要は、日本語翻訳ファイルに問題があり、以下からダウンロードして入れ替えればよい、ということです。
github.com 上の記事には、「どうか不整合が起きませんようにと手を合わせながらPlayOnLinuxを起動します」とありますが、インストールボタンを押して対応ソフトウェアを検索する際 % 表示が出れば OK です。永遠にくるくる回って終わらない場合は、 % 表示が出ません。ただ、初回検索をかけるときはかなり長時間かかりますので、ネット、マシン環境にもよると思いますが、30〜40分ぐらいは放置してください。一旦データが取得できれば、すぐ対応ソフトウェアが検索できるようになります。検索窓からキーワードを入れて以下のように検索してください。
ちなみに、以下のサイトに PlayOnLinux の対応ソフトウェアのリストがあります。
それから、Microsoft Office 2010 をインストールする方法は、以下のインドの方のビデオにありました。なお、インストールには 32 bit版を使って下さい。64 bit 版は非対応です。
www.youtube.com PlayOnLinux だけではなく、winbind もインストールする必要があるようです。
sudo apt install winbind
でインストールします。winbind とは Windows の Active Directory と情報をやり取りするのに必要なプログラムのようです。
なお、これでインストールを試みたところ、Wine 3.03 が予めインストールしておいた Wine と別にインストールされます。
ただ、インストールすると、一つはWinetricks が設定されていないせいか、インストーラーの一部の文字が文字化けします。オプションを選択するときは判じ物です。一旦Windows上でインストーラーを走らせ、途中経過を画面キャプチャしておいたほうが良いかもしれません。さらに "Error in POL_Shortcut" というようなエラーメッセージが出ます。とりあえず無視して進むとインストールが終わります。
途中でエラーメッセージは出ましたが、とりあえず起動してみると起動できました。なお、PlayOnLinux は Microsoft Office 2016 まで対応しています。PlayOnLinux は、Wine で使えるようにするための複雑な設定を色々代行してくれるようです。またおそらくソフトウェアによっては、最新版の Wine ではむしろ動かない、というようなことがあるのかもしれません。
なお、PlayOnLinux を使ってインストールすると、既存の Wine とは別の場所にプログラムがインストールされます。ホームディレクトリの下に、.PlayOnLinux というディレクトリが作成され、その下にインストールされます。 ./PlayOnLinux/winprefix/ソフトウェア名/drive_c というディレクトリが作成され、その下にソフトウェアごとに仮想の C ドライブが作成され、その下にソフトウェアの本体がインストールされます。 おそらくソフトウェアごとに、別のバージョンの Wine & 環境を提供する必要性からと思われます。PlayOnLinux を使うのはあくまで最新版 Wine で素直に動かない場合に限定したほうが良いようです。
インストールした Office ですが、今私の環境で iBus を使っているためなのか、ちょっと日本語入力が不便です。Excel や Power Point はさほど問題がありませんが、Word でかなり入力にタイムラグが出ます。とても常用する気にはなれません。基本、Libre Office で文書を作成し、互換性確保のための最後の整形に Word を使うという使い方になるかと思います。
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