省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

フリーの写真管理ソフト digiKam Windows版をインストールする際の陥穽

 digikam は、マルチプラットフォームのフリーでオープンソースの写真画像管理ソフトウェア (DAM: デジタル資産管理ソフトウェア) です。市販ソフトですと Lightroom が Raw現像と写真ファイルの管理を兼ねていますが、その写真ファイル管理部分を独立させたようなソフトです。欧米では有償ソフトである Adobe LightRoom を使っていなければ、必ず使っているような、そんな位置づけのソフトウェアです。以前、同様なソフトウェアとして Picasa がありましたが、Google に引き取られた後、Google Photo の邪魔になると、配布が中止されました。あとは XnView あるいは、XnViewMP あたりの画像ビューワーを管理ソフト代わりに使うあたりしょうか。Linux だと Geeqie を使っている方もおられるようですが。また Linux で画像処理を行うのであれば、例え高度な画像管理をやらなくても、ほぼ Windows におけるエクスプローラー代わりに使わざるをえない必須ソフトと言えます。

[digiKam 公式サイト]

www.digikam.org

 そして、LightRoom に匹敵、あるいは上回るかなり高度な管理ができるらしく、しかも日本語化もされており、世界的にもユーザが多いと思われるにもかかわらず、ネット上には日本語の情報が非常に少ないです。つまりなぜか日本語ユーザだけは異常に少ないということでしょう。これは絶対におかしいし、どこかにデッドロックがあるはずです。そこで、ぼちぼち何回かに分けて使い方を読み解きながら、どこに問題があるのか、読み解いたことを解説していこうかと思います。

 まず、日本語ユーザが非常に少ない理由ですが、まず日本では、サーバ向けはともかく Linux のエンドユーザが少ないこと、そして、ユーザの多い Windows版で、そもそもインストールはできてもその後の設定に失敗している方が多いのではないかと思われます。例えばネット上の口コミでこんなことが書かれていました。

「たったひとりしか評価がない。
だけど★が5だから、期待してダウンロード、インストール、さて起動。
あれ?
いきなりエラーで、はい、終わり。
これはあかん!だめです。
The SQLite core database was not found, please set the correct location in the next dialog.
If you want to start with a new configuration and with a first run wizard, delete the file C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\digikamrc

よくわからないですが、コア・ベースって?
もう、考えるのも面倒くさいから、削除です。」*1

 ちなみに、そのたったひとりの★5の口コミにはこうありました。

「DigiKam は、
写真コレクションを整理し、タグ付けし、比較、処理するための「プロユース仕様のデジタル写真管理」アプリケーションで、デジタル写真のインポートと整理を簡単にします。
写真はアルバムに整理され、年代順、フォルダレイアウト、カスタムコレクションで並べ替えることができます。
その能力は、写真編集と整理のための「Adobe Photoshop Lightroom」に匹敵し、
https://www.adobe.com/jp/products/photoshop-lightroom.html
Apple iPhotoGoogle Picasa(廃版)、Windows Live Photo Gallery(廃版)を凌ぐ完成度を誇ります。
現在、デスクトップアプリで利用できる最高格の写真管理ツールです。
たくさんの写真を撮ることが多く、タグ管理など効率的な管理方法を必要とするユーザーに、DigiKam が最上です」

 最新の7.9.0を触ってみましたが、確かに「これはあかん!」と書いた方の言ったとおりになります。もう、考えるのも面倒くさいから、削除です」という気持ちになるもの分かります。ですが、結局その理由は、digikam Windows版  をインストールした時に、データベースファイルが管理者フォルダの下に作られるためでした。digiKam Windows版は、デフォルトのままインストールすると管理者フォルダの下にデータベースファイルが作られてしまうので、非管理者ユーザで起動したときに、アクセスできずエラーになってしまうようです。従って、インストールする際に、どのユーザからもアクセス & 書込みができる場所にデータベースファイルを指定する必要があるようです。なお、普段使いのユーザアカウント と管理者アカウント が一致している場合は問題が起きないかもしれません。

 そもそもインストールする際に、管理者しか書き込みのできない Program files 以下にインストールせず、別のインストールフォルダを用意し、データベースファイルもその下に用意したほうが良いと思います。とりあえず、ここでは、c:\bin\digiKam というフォルダを作ってそこにインストールすることにします。

 さらにインストール後、初回一旦管理者権限でdigiKam を起動します

管理者権限で digikam を実行させる

 すると、"The SQLite core database was not found, please set the correct location in the next dialog." というエラーメッセージの後、データベースの位置を指定する、database configuration のダイアログが出ますが...

データベースの指定

この場所を、デフォルトと指定しようとする管理ユーザフォルダの下ではなく、上記の例のように、"Program Files" の下以外に用意した digikam インストールフォルダの下に、任意のフォルダを作成し、そこに指定しておくのが良いでしょう。

 管理者権限で実行していればこの後無事に起動します。

digiKam 起動画面

 ただし、[設定] → [digikamを設定] から [Database] タブを見て、データベース位置が、ちゃんと先程指定した位置に変わっているかご確認ください。

データベースの位置の変更

 万一、ここで、相変わらず管理者フォルダの下にあるようですと、他のユーザで起動した時に、ちゃんと起動できません。修正されていないようなら、ここで再修正してください。ここで設定がしっかりしていれば管理ユーザでなくても起動できるようになります。ともかく、デフォルトのままではいけません

 

 なお、一旦管理ユーザの資格で、どのユーザもアクセスできるフォルダにデータベースを設定し、次に、一般ユーザで起動して、データベースの位置を各ユーザのみがアクセスできるフォルダに設定しなおすと、ユーザごとに別々のデータベースフォルダにアクセスできるようになりました。これも良く分からない仕様ですが。ただ、複数のユーザで一つのパソコンを共用していなければそこまでやる必要はないと思います。

 おそらく、ユーザフォルダ下 AppData フォルダに設定ファイルが見つからない場合は、インストールフォルダに設定ファイルを探しに行き、その設定を、ユーザフォルダ下にコピーするような仕様になっているものと思われます。ところが、Windows標準のインストールフォルダ、Program Files の下にインストールし、かつ、インストール後初回起動時に一般ユーザで起動すると、ユーザフォルダ下に設定ファイルを探しに行きますが、見当たらないので、インストールフォルダに探しに行き、そこで、管理者ユーザフォルダ下にデータベースファイルの場所が指定されているのでエラーになってしまうし、場所を変更しようにも、標準のインストールフォルダには書き込み権限がないのでアウトという話かと思われます。

 

--------------

関連記事

yasuo-ssi.hatenablog.com

yasuo-ssi.hatenablog.com

--------

yasuo-ssi.hatenablog.com