以前、ARTにおける、ARRI の LUT の使い方について紹介しました。
今回は、フィルムをスキャンした写真に対して、ARRI の LUT を当ててみた事例を紹介します。デジタルカメラデータとフィルムスキャンデータではかなり異なりますので、敢えてサンプルを掲げてみました。あまり極端なカラーグレーディングを行うLUT は省いています。サンプルは画像の色調調整に苦しんだ以下のファイルです。フィルムシミュレーションではなく、カラー/トーン補正のLUTモードで適用しています。フィルムシミュレーションでも使えますが、カラー/トーン補正だとシーン参照、フィルムシミュレーションだとディスプレイ参照の色空間での適用になりますので、効果のかかり方がちょっと変わってきます。
なお、ここでのサンプルに対しては、適用量の調整を行っていませんが、もっと弱めたり、適用領域を限るなど、調整を行うこともできます。このサンプルでは効果が極端すぎるように見えても、効果を弱めると良い感じに仕上がる場合もあります。
ARRI の LUT を使う場合の参考にご覧ください。
個人的には最もよく使います。困ったら 5110 を一旦使ってみます。特に青空、ブルーライトの色合いが良くない場合、改善に効果があります。
5110では効果が弱いと思われる場合は、これを使います。全般に青みが足りない場合は Film A を使う場合もあります。
5111 Nature に似ています。
これも結構使えそうです。
この LUT の名称は私のタイプミスではありません。
これも強調感が少なくナチュラルな補正を目指すなら良い感じです。
7110よりは G に寄っています。
年代シリーズは、古いほうがややセピア寄り、新しいほうはややクール寄りのようです。
この画像の場合は緑に寄り過ぎのようです。
2110 より緑色の誇張感がありません。
これも使えそうです。
全般的に青みを増したり、青みを調整したいときはよく使います。青空と新緑のコントラストを強めるという時に効果があるようです。青空をやや藤色の方向に、また黄緑をやや黄色味が強い方向に変えるような印象ですが、この画像にはちょっと合わないようです。青系をやや藤色に寄せる効果が逆効果と思われます。
Fashon をおとなしくしたような感じです。
bleach bypass とは日本語で言う「銀残し」です。渋い方向に調色します。
Vintage, Retro とも新しいデジタルカメラ画像を古い写真に (つまりこのサンプルのオリジナルのような写真に) 見せる LUT ですが、ここでは古い写真を新しく見せたいので、目指している方向とは反対です。
全般的にもやが掛かったようになります。