省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

室内はペイント塗潰しだった 身延線 クモハ51824

 いよいよ身延線戦前型旧形国電中、未掲載の車輛も残り少なくなってきました。未紹介車輛は本車を含め残り3輌です。

 本車は身延線用モハ51800代の内、元関東向けモハ51の最終番号車です(元モハ51024)。それとともに、室内がモスグリーンに塗られていた車両としても最終番号車でした(クモハ51850代を除く)。

 運転台のHゴム化された窓がやや小さめなのが特徴です。51820も小さめでしたが、助手席側の窓が一段である点が異なります。関西時代、関西型通風器が設置されていたのかどうかは確認できませんでした。

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クモハ51824 (静ヌマ) 1977.9 富士電車区

 戸袋窓までHゴム化されている一方、1次車のようの運行灯窓までHゴム化されておらず原形のままで、また運転台助手席側窓も2段窓のまま残っていました。おそらく吹田工場では、クモハ51の1次型を手始めに運転台窓のHゴム化を進めたものの、夏の暑さ対策としては助手席窓をHゴム化せず、2段窓のまま残したほうが良いという判断に途中から変わったのではないかと推測します。運行灯も1次型のようにHゴム化されていませんが、これも美観上どうなのか、という判断の変更があったのではないでしょうか。運転台上の通風機は身延線入線後潰されており、デフロスターは設置されています。

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クモハ51824 (静ヌマ) 1981.7 富士駅

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クモハ51824 (静ヌマ) 1977.9 富士電車区

 

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クモハ51824 (静ヌマ) 1979.5 富士駅

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クモハ51824 (静ヌマ) 1980.3 富士電車区

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クモハ51824 (静ヌマ) 1981 富士電車区

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クモハ51824 (静ヌマ) 1981.4 富士電車区

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クモハ51824 (静ヌマ) 1981 富士駅

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クモハ51824 (静ヌマ) 1976.5 富士電車区

本車の車歴です。

1937.4. 日本車輛東京支店製造 (モハ51024 偶数向き) → 使用開始 1937.4.6 東ミツ → 1943.11.11 改造 大井工 (モハ41079) → (1947.3 現在) 東モセ → 1950.10.16  大ミハ → 1951.5.30 座席整備 → 1952.2.22 改造 吹田工 (51024)  → 1953.8.30 大アカ → 1954.2.28 更新修繕I 吹田工 → 1954.12.13 大ミハ → 1956.3.1 大タツ → 1961.3.1 大アカ → 1970.2.3 静ヌマ → 1970.7.15 改造 浜松工 (51824) → 1981.11.14 廃車 (静ヌマ) ※最終全検 55(1980)-2 大船工

 クモハ51804(モハ51004)が、1946.7.31に東ミツから東モセに移っているのが分かっていますので、同時期に東モセに移ったものと思われます。他の車輛と比べて、関東時代に一時東モセに移ったり、大阪時代に大アカと大ミハを行ったり来たりした点でやや経歴が複雑な車両でした。

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