Windows版の LibreOffice は、オプションの欧米語の文法チェッカーを入れて動作させることができて、非常に便利です。しかしながら、Linux版では、文法チェッカーを入れても有効にならず、うまく動作させられません。この件についてネットで色々調べましたが、結局日本語ではまともな情報がない、ということが分かりました。
そこで、英語のサイトで調べた Linux / Ubuntu上で LibreOffice の文法チェッカーを動作させる方法についてここで日本語でまとめてみます。
Linux版の Libre Office は Java がなくても動作させることができますが、文法チェッカーは JRE がないと動作させられません。ちなみに Mac OS 上の Libre Office の方は JRE だけではなく JDK も必要なようです。しかし、ただ Java をシステムにインストールしても動きませんでした。最初は、32bit か 64bit か、という問題かとも思いましたが、それだけではなく、結局 Libre Office 上で Java を認識させるモジュールも入れないといけないようで、それは下記のコマンドでインストールします。以下のコマンドでインストールすれば別途 Java をインストールする必要はないようです。
sudo apt install libreoffice-java-common
これにより、LibreOffice 上で Java が認識されると、LibreOffice の [ツール] → [オプション] → [詳細] で、JRE が有効化されているのが確認できます。因みに 3 つ JREが認識されていますが、残りの2つは試行錯誤の過程で無駄にインストールした Java です。
この画面で、インストールされている JRE の一覧が見当たらなければ LibreOffice 上で Java が認識・有効化されていないということです。
次に Language Tool を入れます。Libre Office 用の Language Tool は、現在3つのバージョンがあるようです。1つは単独動作版、それにオンライン動作版があり、これはAPIを通じてネット上のサーバからデータをやり取りして文法チェックを行うというもので、これには無償版と有償版があります。オンライン版は無償、有償版とも会員登録が必要で、もちろん、ネットにつながっていない環境では動作しません。基本的に、現在開発の主流は、単独動作版よりもオンライン版に移っているようですが (単独版の最新バージョンは 6.0) 、ここでは単独動作版のインストールについて説明します。ちなみにオンライン版をインストールしたい方は、以下のサイトにアクセスしてください。
単独動作版は、以下のサイトからダウンロードします。
extensions.libreoffice.orgこのツールは以下の言語の文法チェックに対応しています。
カタロニア語、オランダ語、英語、仏語、独語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、ウクライナ語
ここから最新版 Ver. 6.0 をダウンロードします。次に LibreOffice の [ツール] → [拡張機能マネージャー] でダイアログを開きます。
ここで、[追加] ボタンを押し、先ほどダウンロードしたファイルを選択します。
すると拡張機能マネージャー上の一覧に Language Tool が表示されます。なお、Java が有効化されていないと、ここで、薄く表示されてしまいます。
で、これで動作するかと思って、喜んで入力すると... あれっ? となります。まだもう一手間必要です。[ツール] → [Language Tool] → [Options] を選択します。
以下ダイアログが出ますので....
ここで、[Apply Default Options] をクリックして OK ボタンを押します。これで、ようやく文法チェッカーが動作可能になり、下図のようにミスを指摘してくれるようになります。
いやはや、この最後の手続きが盲点ですね。これに気づかずに、「使えん...」と放棄された方は多いのではないでしょうか。
しかし、Linux版 LibreOffice、Windows版より手間がかかりますね。もっとも、Google Documents でも多言語スペル・文法チェックのできる時代ですから、ここまで手間をかけるなら Google でいいか、と思う方もいらっしゃるでしょう。
ただ、個人的には、ノートPCで外に持ち出すことも多いですし、常時ネットにつなげるとも限りませんので、インストールアプリにこだわりたいところではあります。時代遅れかもしれませんが...
なお、以下のサイトを参考にさせていただきました。
ちなみに、Linux 上で使えそうな Office ソフトに以下のようなものもあるようです。
www.freeoffice.com ドイツの会社 SoftMaker が提供する FreeOfficeです。
また、直接 LibreOffice とは関係ありませんが、英文チェックツールを紹介する、以下のような記事もありました。