このところ、ネガフィルムのデジタル一眼カメラによる写真取り込み(ネガデュープ、デジタル化)に使えないかと思い、Raw現像ソフトやVuescanの簡単ネガポジ反転機能の有無について記事を書いていました (手間がかかっても良いなら、RGB別トーンカーブ補正機能があるソフトならどれでも基本的には可能)。
今まで確認した範囲では、
◎市販Raw現像ソフト
Lightroom > 別途有料プラグインソフトが必要 (Negative Lab Pro)
Silkypix 10 > Developper Studio Proバージョンなら可能 (スタンダード版および、9以前のバージョンは不可) < 広告情報より
Luminar 3 > 不可 (4については情報なく、試せてもないので不明だが、なさそう)
◎フリーRaw現像ソフト
RawTherapee > 5.7以降であり (こちらの記事参照)
またRaw現像ソフト以外では、スキャナソフトであるVuescan (簡易Raw現像ソフトとしても使用可) にあるのは当然として、フォト・画像レタッチソフトであるGIMP, Photoshopに関しても、一発で画像諧調を反転する機能があるので、さらにホワイトバランスや自動カラー調整を掛けることでネガポジ反転可能です (但しフィルムベースカラー読込機能なし)。
今回、無料のRaw現像ソフト darktableにも negadoctor と名付けられたネガポジ反転機能が搭載されたのを確認しました。但し、8月にバージョンアップされたVer. 3.2.1以降で可能です。
フィルムベース色測定機能もしっかりあります。ただ、他の色調調整機能がすべてオリジナル画像がポジであることを前提に動くので、他の色調調整と合わせて使おうとすると方向が反対になります。例えば、明るくなる方向に調整したつもりが暗くなったりとか、スポットを測定してホワイトバランスを決める機能も全然使えません(ポジ転換した画像の最も白い部分にカーソルを当てると画面全体が赤くなる。つまり元々のネガ画像がポジであるとの前提でホワイトバランスを決めようとし、それがさらに反転して表示されるのでそうなる)。この点はやはり一日の長があるRawTherapeeの方が、ネガポジ反転機能と他の色調補正機能との整合性が高いかと思いますが、この辺りはdarktableの今後の改良に期待したいと思います。
なおdarktable Ver. 3.0代は日本語化されていますが、Ver.3.2.1では翻訳が間に合わなかったのか、日本語化されていません。多くの日本人は英語版で使うことになると思います。
darktableのダウンロードサイトはこちらになります。
また、機会を見て、もうちょっと詳しくdarktableのネガポジ転換機能について紹介したいと思います。
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Keywords: フィルムスキャン, ネガデュープ