省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ソースネクストからネガフィルム画像のポジ転換ソフトが発売されたようですが...

 一昨日 (2021.12.15) 、ソースネクストから「復活! ネガフィルム」というネガフィルム画像のネガポジ転換を行うソフトウェアが発売されたようです。

 

www.sourcenext.com

prtimes.jp

 開発はソースネクストとありますが、製品紹介の際のコピーライト表記は株式会社ファンファーレと表記して下さいとあるので、どうも自社開発ではないようです。この会社は Paintgraphic 4 Proという、Photoshop互換の画像編集ソフトを開発している会社のようです。あるいはソースネクストが企画して開発を下請けに任せたのかもしれません。

 フリーのRaw現像ソフトに登載されているネガポジ変換機能に比べて有利な点は、湾曲したフィルムを補正できるという点のようです。ですが、それ以外はあまり特徴があるようには思えません。使い勝手面で自動一発で簡単に補正できる、というようになっているのかもしれませんが... また湾曲したフィルムの場合、ピントが合うかどうかも問題になるはずですが、それに対しどのような対策がされるのか、発表資料では今一つ不明です。

 湾曲したフィルムを補正できるという点では、スマートフォンで撮影したネガフィルムの補正がメインに考えられているようですが (スキャナで取り込んだ画像のネガポジ転換も可能です)、しかしWindows PCで動くことが前提になっているようですので、スマホで撮影した画像を一旦PCに転送することが前提になります。だとすればむしろ使い勝手面では劣ります。スマホではすでに安価な Negaview Pro や無料の LomoScanner 2 というアプリがあるので競合を避けようとしたのかもしれませんが、むしろPCでもスマホアプリ版でもライセンスを共通にして、スマホ上でも操作が完結することも可能にしたほうが (つまり、スマホでもPCでも使えるようにしたほうが) 良かったのではないかと思われますが... ピントに関しても、スマホにおける直接撮影まで制御したほうが、被写界深度調節等可能なはずです。

 またデジタルカメラでのネガデュープも視野に入れるなら、Raw現像機能もあったほうが良いと思いますが、製品案内には特に表記がありません。この場合はむしろフリーのRaw現像ソフトの方が有利だと思います。

 RawTherapeeにネガポジ転換機能が搭載される(2019年9月 Ver. 5.7より搭載)前、3年前だったら、そこそこ売れたかもしれませんが、現状の仕様のままでは市場性という点でちょっと厳しいかと思います。