省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

客室内がクリーム色にペイント塗りされていたクハ55402 (1977.5)

 こちらは、新前橋区にいた、クハ55402です。残念ながら新前橋区にいるところしか撮れなかったので、全景写真がありません。しかし内部がクリーム色にペイント塗されていた室内写真が鮮明に撮れていますので、当時の記録資料としてアップします。

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クハ55402 (高シマ)

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クハ55402客室内 (前方からトイレ方面を望む)

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クモハ55402客室内 (後方から運転台方面を望む)

最後に本車の車歴です。

1936.12.5 新潟鉄工所新製 (クハ55038) 東鉄配属 → (1947.3現在 東チタ) → (1954.11現在 千ツヌ) → 1967.3.6 改造 大井工 高シマ → 1978.6.28 廃車

本車は、1936年12月に新潟鐵工所(→現 新潟トランシス)にて製造され東鉄に配属されました。おそらく当初配置区とは異なると思いますが、1947年には田町電車区にいました。横須賀線の、被災した32系の不足を補うために一時的に配置されていたと思われますが、70系の増備で、戦後首都圏の40系の拠点の一つだった、津田沼に移ったと考えられます。総武線の新性能化および長野原線の電化で、トイレ付に改造され改番の上新前橋に移りました。あくまでも推測ですが、総武線時代に室内が既にモスグリーンに塗られていたものを、トイレ付に改造した際に、やや寒冷な地を通る長野原線で主に使われることが想定されていたため、暖かめに見えるクリーム色に塗り替えたのではないかと思います。その後11年間長野原線及び両毛線で活躍し1978年に廃車になっています。ずっと関東地区を離れずに活躍した車両でした。