省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

韓国 安東市内バス 運行体系およびバス情報について

 韓国・安東へ行った際に、安東市内バス体系について調べてみました。鉄道の話題とちょっと離れますが、安東に観光旅行に行かれる方に参考になるかと思いますので、こちらで情報提供を行います。なお、本情報は執筆時点 (2023.8末〜9月) 現在の状況に基づいています。

 かつて安東市内バスは市内の中心部にある 旧 Korail 安東駅 横の「教保生命 (キョボセンミョン)」バス停 (安東バスターミナルが元々あった場所) を起点に路線が伸びていました。しかし、2021年、Korail 安東駅が、市内西部にあり、既に安東バスターミナルが先に移転してきた松峴洞 (ソンヒョンドン) に移転し、鉄道を使って市外から来る観光客にちょっと利用しにくい状態になっていました。

 しかし、コロナ禍が収束してきた 2022年10月に安東ターミナルを中心に市内のバス体系が大きく再編成され、市民にとってはどうか分かりませんが、観光客にとって使いやすくなりました。このあたりの情報は日本語サイトであまり出ていないと思いますので、こちらに記します。バスの系統番号も変わっていますので、ガイドブックの情報は古くなっている可能性があります。

安東バスターミナル内部

 まず、安東の主要観光地域ですが、いずれも市街地・ターミナルから四方にバラバラに所在しており、非常に不便です。

安東の主要観光地域


 もっとも有名なのは、伝統家屋や仮面劇で有名な河回(ハフェ)マウルですが、これは安東市の西側、新たに移転した慶尚北道道庁に比較的近い場所にあります。そして有名な儒学者、李退渓(イ・テゲ)の出身地として知られる陶山書院(トサンソウォン)地区 (他に韓国国立国楽院などがある) が北側、韓国最古の木造建物として有名な、鳳停寺 (ボンジョンサ) が北西に、民俗村や月映(ウォリョン)橋、時代劇のロケにも使われるダム湖の安東湖畔にある観光団地地区が東側とバラバラです。アンドン・チムダクを食べたいなら旧市街、ホッチェサパブを食べたいなら観光団地周辺 (月映橋近く)、または河回マウル周辺となります。さらに、最近ドラマ「ミスターサンシャイン」のロケ地として脚光を浴びている晩休亭 (マンヒュジョン) は南東でしかも市街地から結構距離があります。

 しかもこれらの観光地区は、中心街からそこそこ距離があるので (安東市街から陶山書院、および河回マウルは、約25km)、陶山書院と河回マウルとの距離は、ソウルー水原間の距離よりも長いので、1日ではとても回り切れません。

 まず安東市の市内バスのバス情報ですが、以下が基本的な情報サイトになります。

安東市バス情報システム (韓国語)

 韓国語の分からない方はブラウザの翻訳機能などをご活用ください。以下このサイトの使用法を説明します。

バス情報システム表紙ページ

 上は、このサイトの表紙ページですが、乗りたいバスの停留所が分かっている場合、ピンク枠の停留所検索のタブで、停留所名を入力するとその下に検索結果が出てきます。なお、停留所名はハングルで入力する必要があります。英語では検索できません。

 すると検索結果が出ますので、その中から見たい停留所を1つ選択してクリックします。少なくとも、上りと下りで2つ出ます。同名の停留所でもちょっと離れている場合、停留所ごとに出ますので、同じ停留所名が4つ、あるいは6つ表示される場合もあります。

 選択すると以下のような画面に移ります。

停留所情報

 右に停留所の地図、左に停留所情報のサイドバーが表示されます。ピンクのところに停留所名がハングルと英語で表示され、地図上の中央に白抜きの文字で検索した停留所名が表示され、停留所の位置が分かります。

 サイドバーの停留所名の下には、近く到着するバスの路線系統番号および起終点、そしてそのバスがあと何分で到着し、いくつ前の停留所まできているのかがリアルタイムで表示されます。表示順序は、すぐ来る順です。なお、配車間隔が開いていて、いま走っているバスが1台もない路線は情報なし (정보없음) と表示されますが、必ずしも終バスが行ってしまったとは限りません。さらに地図上には、検索したバス停以外も含めた付近のバス停と、いま走っているバスがアイコンで表示されます。

 そして、そのバス停留所を通るバス路線の情報を知りたい場合は、バス路線情報タブをクリックします。

当該停留所を通るバス路線一覧

 すると上のようなバス一覧画面になります。そこから路線番号のピンクのバーをクリックすると...

バス路線表示

 上は、教保生命から河回マウルへ行くバス路線 (210番) の例ですが、左のサイドバーにはバス停留所一覧が表示され、地図上にはバス路線が表示されます。現在その路線を走っているバスも、走っている位置に、アイコンで表示されます。今、バスが始発バス停の教保生命バス停で発車を待機しているのが分かります。

 なお、ソウルなどの大都市の場合、バスリアルタイム運行情報が、kakao map, naver map に提供されていますが、安東市の場合は提供されていませんので、上のサイトから見る必要があります。なお、情報が提供されていないのは kakao bus も同様です。

 なお、予め全体的な路線図を印刷しておきたいという方は、韓国語ですが、安東市のサイトで見ることができます。

https://www.andong.go.kr/synap/skin/doc.html?fn=FILE_000000000359964_0&rs=/synap/BBS/FILE_000000000359964_0/

 因みに系統番号は、行き先別に頭の番号が決まっており、1は安東市内 (洛東江の北側)、2は道庁・豊山 (プンサン) 方面、 3 は西後 (ソフ) 方面、4 は洛東江の南側方面、5は北部 (臥竜 [ワリョン]、陶山) 方面、6は東部、南東方面となっています。

 

 2022.10.10改正バス時刻表は以下からダウンロードして下さい (PDFファイル)。

https://bus.andong.go.kr/files/down.do?attch_file_id=202210070020&file_seq=1

 しかし、その後時刻改正された路線があり、それらについては以下のページをご覧ください。Excel 形式のファイルがダウンロードできます。

안동시 버스정보시스템 - 노선시간표 변경 안내

 

 なお、安東ターミナルから主要観光地に行くバス路線を紹介しておきます。

安東ターミナル付近バス停留所

まず、東方面から...

 安東市街地 (教保生命 [旧安東駅付近] )へは、頻繁にありますが、急行1, 3 番、および 210, 211, 212, 310番があります。100番台のバスもすべて行きますが、途中ちょっと迂回するので、上記バスをお勧めします。

 また陶山書院へは急行3番ですが、1日6回のみです。所要時間は安東ターミナルから約1時間です。あるいは一旦、ターミナルから市内の教保生命バス停に行き (バスで所要約20分)、そこから普通バスに乗り換えるという方法もあります。この場合、教保生命バス停から512番バスに乗ります。こちらは陶山書院方面へ行くバスは1日9本程度です。こちらは教保生命から陶山書院まで35~40分程度ですが、多くは急行バスとは異なり陶山書院バス停から陶山書院まで10分ほど歩きます(一部陶山書院近くまで行く便もあり)。

 陶山書院バス停が2カ所あり陶山書院から遠いものと近いものがありますので (急行バスは両方停まる)、ご注意ください。

陶山書院バス停の位置

 観光団地は、112番バス安東龍上浄水場入口行きに乗りますが、本数は非常に少なく、1日 4回の運行です。他に、夕方に教保生命発便が2本あります。所要時間は、ターミナルから観光団地まで40~45分程度です。旧安東駅からタクシーで7100ウォン程度なのでタクシーを使うことを検討したほうが良いかもしれません。

 余談ですが、安東市では観光団地地区に鳴り物入りで「儒教ランド」という観光施設を作りました。しかし、現在赤字垂れ流しが問題になっているそうです。しかしこんなに観光団地地区の交通が不便ではお客さんが入らないのも当然です。平日はともかく、せめて週末は1日10本以上バス便を増やすべきでしょう。何を考えているのやら...

 晩休亭へは、610番 吉安(キルアン) 方面へ行くバスを使います。安東ターミナルから吉安まで約1時間、さらに、吉安から晩休亭へは約30分です。但しすべてのバスが晩休亭へ行くのではなく直通バスは1日4本のみです。あるいは610番 吉安止まりのバスで終点まで行き、さらに吉安始発の610番支線バスに乗り換え、黙渓(ムッケ)バス停で降りて歩くという手段もあります。黙渓バス停から晩休亭まで 300~400m 程度、1バス停分です。吉安から黙渓に行くには、古蘭(コラン)、大寺(テサ)2里、松仕(ソンサ)方面行のいずれかに乗りますが、それ以外の支線バスは、黙渓を通りませんので要注意です。大体吉安から日中 1時間~1時間半程度の間隔です。

 

西方面ですが...

 河回マウル行は、急行2, および 210番です。急行2は 1 日 5回の運行、210番は、13回の運行です。所要時間は、急行2 で、ターミナルから河回マウルまで 30分、210番でターミナルから40~45分程度、但し1日3本屏山書院を経由するものがあるので、その場合+20分時間が余計にかかります。注意すべきなのは急行2で河回マウルー安東ターミナルー鳳停寺の運行で、同じ西方面のバス停に河回マウル行と鳳停寺行の両方が発着しますので、乗り間違えないよう必ず行き先を確認してください。

 なお河回マウル行バス210系統の中には近くの屏山書院を経由するものもありますが、1日3本と本数が少ないので要確認です。屏山書院へは河回マウルから 6.5 km あるので、自転車で回れるとちょうどよいのですが...

 因みに河回マウルの中には駐車場がないので、河回マウルの外側、河回世界仮面博物館の横に観光客向け駐車場があり、この駐車場と河回マウルを結ぶ河回シャトルバスが運行されています。運行回数は観光客の数によって弾力的に運用されているようです。

 鳳停寺行は、上で述べた急行2, および 310番バスで、310番バスは1日 7 回の運行となっています。急行バスの場合ターミナルからの所要時間は20分、310番バスの場合は、40分程度です。やはり急行バスを使う場合、河回行きと乗り間違えないようご注意ください。

 なお、2022.10のバス系統再編で、急行バスが増えた分観光客にはより利便性が高まりました。おそらく KTX の開通で観光客も増えているものと思われます。

 使える交通カードは T-money が使えます。またおそらく全国互換規格カード (T-money、Cash Bee、Rail+、namane) なら T-money でなくても使えると思います。T-money は、全国互換規格でなくても使えますが、それ以外は全国互換規格非準拠カードでも使えるかどうか分かりません (カードによっては全国互換規格非準拠のカードを併売しているケースあり)。また、外国人向けの Korea Tour Card は T-money の一種で全国互換規格に準拠していると思います。乗車時に交通カードリーダーにタッチしてください。

 また、2023.9現在の市内バス料金は、交通カード利用 1400 ウォン、現金 1500 ウォン、また交通カードを使った場合、路線間の乗り換えは1時間以内1回まで無料です。乗り換え無料サービスを受けるときは下車時にも交通カードリーダにタッチする必要があります(乗り換えない場合は、下車時のタッチは必要ありません)。この辺りの交通カードの使い方はソウルなど他の都市と同じです。但し、乗り換え無料・割引条件は都市圏によって異なります。

 

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安東郷土料理レストラン紹介 (韓国語)

(韓国精神文化財団 安東観光案内サイト)

www.tourandong.com

 上のサイトには日本語ページもありますが、日本語ページにはレストラン名や場所の紹介はありません。韓国語ページを ブラウザの翻訳機能などを使って読んでください。

※韓国精神文化財団は、安東市が設立した公益法人で、2021年安東祝祭観光財団と合併して、日本の観光協会のような役割を果たしているようです。

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kepper.tistory.com