省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

身延線旧形国電 クモハユニ44, 平妻電動車, クハ55 車番読取不能時の車番同定

 今回は、既に述べたクハ68を除く平妻車輌の車番同定です。これでアコモ改善車を除く1975-81年当時在籍した身延線全旧形国電車両の同定方法が完結します。

■クモハユニ44

 非貫通の電動車はクモハ14なき後はクモハユニ44のみでした。

 まず44803は遠くから見てもすぐ分かります。屋根が丸妻、非貫通の電動車(前面にジャンパ栓受けがない) は、44803です。このような車両は1両しかありませんでした。

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誰が見ても自明、クモハユニ44803

 問題は切妻の44800~802の区別です。写真をじっくりと見て、運転台中央窓に注目するとどうやら区別できそうです。なお1970年夏まで活躍したクモハ14もほぼ同じ顔でしたので、1970年以前の写真に関してはこれだけでは同定できません。

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クモハユニ44800~802の前面


 まず中央窓下に空気取入口(?) がないのが801です。あるのは800か802ですが、この空気取入口と窓の端との距離が異なります。微妙に広いのが800、狭いのが802です。

 あともう一点、44800はデフロスターがありません。他の車にはあります。ただ運転台のガラス窓が反射で光っていると判断しにくいかもしれません。

 

 では、練習問題です。以下のサイトにあるクモハユニ44の番号を同定してみてください。

news.mynavi.jp

news.mynavi.jp

news.mynavi.jp

 以下のページ27枚目にある茶色のクモハユニ44の写真も同定可能です。

www.filmscan-print-s.com

■貫通路のある平妻電動車

 次は身延線の貫通路のある平妻電動車の同定です。当然ながら平妻で前面にジャンパ栓受けがない車両を対象とします。1975年3月以降は、全部で4両でした。

 まず幌枠がないのはクモハ41850です。ある車両の内、厚みのある幌枠があるものが(そして幌がないものが)、クモハ51830です。幌付きで、幌枠に厚みがないものが51850/2です。

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貫通式平妻電動車前面の違い

 では、51850と852の違いは何でしょうか? 車体側面の行先サボ受けが、車体中央部、ウィンドウシルの下にある車輛が852、車端部、ウィンドウヘッダーの上にある車両が850です。51850/2はまず先頭に出ることがなかったので、側面サボ受けの位置で判断するのが一番確実です。

 ただし、51850のサボ受け移設は1973.3の北松本運転支区への貸与後(1975.3返却)ですので、それ以前の写真では判別が困難かと思います。

■クハ55

 最後はクハ55です。身延線旧形国電末期のクハ55は、半流の原形は1両もなく、いずれもサハ57から改造した平妻車両であり、顔は個性派ぞろいでした。というわけでフローチャートは止めて直接写真をご覧いただくのが早いかと思います。

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クハ55300代
(正面貫通路が客用貫通路扉のまま)

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クハ55400代
(幌枠のない通常貫通路の平妻制御車)

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以下のページもご覧ください。

 

yasuo-ssi.hatenablog.com

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