身延線には、かつて旧形国電運用時代、主力としてクモハ51が活躍していました。このうち、他形式から改造された51830, 850, 852はその形態から容易に区別できますが、オリジナルのクモハ51から改造された51800~828 (偶数番のみ) の車番の同定は番号が写っていないと困難だと思います。そこで通常型クモハ51 (最初からクモハ51として作られた車両) の車番同定フローチャートを作りました。昔撮影したけれど、車番が読み取れず分からない、調べたいという場合にご活用ください。なお車両の状態は、身延線旧形国電終末期、1975~81年頃を基準としています。それ以前だと、身延線転入直後は関西型通風器が残っている車両があったり、前面通風器の通風孔が塞がれていない車両があった可能性があります。
なお、そもそも身延線の電動車 (クモハ) はすべて偶数側ですので、正面にジャンパ栓受けがありません。あるものはクハです。また半流のクモハの内、正面の運行灯が非Hゴムの大型運行灯のものはすべてクモハ60です(ここでは平妻のクモハは考慮していません)。
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1. 運転台正面窓がHゴム化されていないまま?
↓
Yes → 1-1. 正面通風器が原型のままか? → Yes: 51800 / No (孔が封鎖): 51802
No
↓
2. 運転台正面窓は左右ともHゴム化されている?
↓
Yes → 2-1. 関西型通風器が設置されている? → Yes: 51810 / No: 2-2へ↓
2-2. 正面幌枠上に幌吊り下げ金具がない → Yes: 51806 / No: 2-3へ
因みに、幌吊り下げ金具は、本来片支持タイプの幌を備えた車両のジャンパ栓受けのない側にあったもので、ジャンパ栓受けのある連結面は幌がなく、ジャンパ栓受けのない連結面は幌(および吊り下げ金具)がありました(両支持タイプの幌を備えた車両はジャンパ栓受けの有無にかかわらず幌があります)。従ってもともと幌を備えていた本来偶数車の先頭には幌吊り下げ金具があるはずです。一方、元々奇数車だったものを身延線入線時に方向転換した車両は先頭側には吊り下げ金具がないはずです。但し元からの偶数車でも、その後幌を使用しないため金具を後に撤去した可能性は否定できません。
2-3. テールランプ上にステップがあり、かつ
運転台後ろのドア開閉ランプの位置がやや下に下がっている
→Yes: 51812 / No: 51808
No
↓
3. 運転台正面左窓は非Hゴム1段窓である?
Yes → 3-1. 関西型通風器が設置されていない → Yes 51820: / No: 3-2へ↓
3-2. ワイパーは下付きである → Yes: 51826 / No: 3-3へ
3-3. 原型正面通風器が残存している → Yes: 51816 / No: 51828
No
↓
4. 運転台正面左窓は非Hゴム2段窓である?
Yes → 4-1. 原型正面通風器が残存している → Yes: 51822 / No: 4-2へ↓
4-2. ワイパーは下付きである → Yes: 51818 / No: 4-3へ
4-3. 側面戸袋窓はHゴム化されている → Yes: 51824 / No: 51814
練習問題
以下の写真のクモハ51の車番を当ててください。
応用問題
以上の練習問題をクリアできるなら、以下のリンク先のページに写っている番号未詳のクモハ51の車番も分かります。お暇ならチャレンジしてみてください。
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練習問題の答え
上の写真: [4] 運転台左窓が2段 → [4-1] 原形通風器は残っていない → [4-2] ワイパーは上付 → [4-3] 側面戸袋窓がHゴム → 51824
下の写真: [3] 運転台左窓が非Hゴム1段 → [3-1] 関西型通風器なし → 51820
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