省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

Ubuntu上におけるGIMP2.10xのPython-fuについて

 Windows上でのGIMP2.10xは非常に順調で、しかも最新バージョンでは、画像処理エンジンも2.99x でテストされた最新のものに更新されており、さらに今のところGIMP3.xでは Python-fuにおけるgimpfu のサポートも予定されていないこともあって、GIMP3.x なんているの... という感じです。

 しかしLinux(Ubuntu)では、そういえば Python-fuのサポートを確認していなかったな、と思って確認してみると、なんとそもそも Python-fu がなくなっています。ネット上を探してみると、結局 gimp-python2は、別途インストールしないといけないようです。どうやら、Linux上でPython 2.x のサポートが終わってしまったため、のようです。ところがネットで書かれている指南方法を見てインストールしようとすると、ダメです。

 一つは、aptコマンドを使って入れるという、インストラクションがありました。ところが、apt コマンドで探してみると、gimp-python2が見つかりません。ほかに appimage 版があるよという情報もありました。しかし、これも探してみると、指定のURLにいくと appimage のバイナリーがなくなっています。ううーむ、Linux版のGIMP2.10x が実はWindowsより不便になっているとは... (Mac版はどうなんでしょう?)

 

 ほかに、 gimp-pythonコンパイルして自分で入れました、という方の報告もありましたが... そもそもGIMPがどこにインストールされているのか突き止めなければいけません。うぅーん、面倒...

 それに最近のGIMPでは、apt ではなく、flatpak を使ったインストールを推奨しているはず...

 と思ってさらに情報を検索してみると、flatpakを使って入れると、面倒なことをしなくてもしっかり gimp-python2 が入っているよ、という情報が... そちらが下のサイトです。

blawat2015.no-ip.com

 結論から言うと、こちらのサイトに書かれているとおりでした。

 

Gimpのサイトに flatpakによるインストール方法が書かれています。

www.gimp.org

端末から

flatpak install https://flathub.org/repo/appstream/org.gimp.GIMP.flatpakref

でインストールできます。sudo を使わなくても良いようです。

なお、削除は、

flatpak uninstall org.gimp.GIMP

です。

また、各ユーザ用のプラグインのフォルダは、

.var/app/org.gimp.GIMP/config/GIMP/2.10/plug-ins

です。プラグインを入れたら、 chmod u+x ファイル名 で、実行権限を付与して下さい。これで自作プラグインが動作することが無事認識されました。

但し、

.config/GIMP/2.10/plug-ins

があると、そちらのフォルダの認識のほうが優先されるようで、逆に、./var 以下のフォルダが無効になるようです。

起動したGIMP 2.10.x

 ただ、その後、先にGimpの2.99を入れたせいか、メニューにアイコンができません。

いちおう、flatpakの起動リンクである desktop ファイルは以下にできるようですが...

 

/var/lib/flatpak/exports/share/applications/org.gimp.GIMP.desktop

/var/lib/flatpak/app/org.gimp.GINP/current/active/export/share/applications/org.gimp.GIMP.desktop

 仕方ないので、 ./local/share/applications 以下に、マニュアルで、以下の内容で gimp.desktop ファイルを作成しました。

-----------------------------

[Desktop Entry]
Version=2.10.32
Type=Application
Categories=Graphics;
Name=Gimp 2.10
Comment=
Exec=flatpak run org.gimp.GIMP//stable
Icon=org.gimp.GIMP
Terminal=false
StartupNotify=false

------------------------

 これで無事メニューから起動できるようになりました。なお、初心者向きの、メニュー用ショートカットファイル (desktopファイル) の丁寧な作り方の説明は、以前 quolibri のインストール方法を以下の記事に書きましたので、その記事のショートカットファイルの作り方の部分をご参照ください。

yasuo-ssi.hatenablog.com 作るファイル名と、ファイルの内容はこの記事のものに置き換えて考えていただければよいと思います。

 

 なお、flatpak でインストールしたアプリケーションはどこにインストールされるのかというと、どうやら

/var/lib/flatpak/app/org.gimp.GIMP

以下にインストールされるようです。

但し、GIMP の設定にあるフォルダ設定のパスを見ると、

/app/lib/gimp/2.0/...

以下にファイルがあるように見えます。しかし実際にはこれは、

/var/lib/flatpak/app/org.gimp.GIMP/x86_64/stable/**************/files/...

以下に存在するようです(緑字の部分はおそらくシステムによって変わるようです)。そのため、インストールされている実体ファイルの位置が探すのが難しくなっています。 flatpak を使った際の要注意点かと思います。

 また、Python2.7もflatpak 配下のGIMPディレクトリに、ちょうどWindows版と同様に置かれるようなので、別途Ubuntuシステム自体にPython2.7をインストールする必要はないようです。

 

 しかし、こうなってくると、GIMP3.0をリリースする一般ユーザから見た意味合いはいよいよ薄くなってきます。GIMP3.0をリリースする意味としては、リニアーワークフローの全面採用、Python2のサポート終了に伴う、Python3への移行、GTKの最新版を使ったユーザインターフェースの刷新というあたりかと思いますが、2.10にGEGLの最新版が載せられるなら、2.10.x でもリニアワークフローへの全面移行が可能ということです。Python3への移行も、flatpak化で本体にPython2.7をインストールしなくてもPython-fuが動くなら急ぐ必要はありません。しかもPython-fuにおける gimpfu のサポートが放棄されるなら、既存のPythonスクリプトプラグインの大半が動かなくなります。その中にはResynthesizerなどのキラーコンテンツも含まれます。何のための Python3 への移行か、という話になります。もちろんセキュリティの問題を考えればいずれPython3に移行したほうが良いでしょうが...

 もちろんユーザインターフェースが格好良くなることは歓迎ですが、大幅な利便性の縮小の対価としてはどうなのか、という話になります。当面、2.99で実験して安定したものを2.10に取り込んでいただいて、GIMP3.0への移行は、調整レイヤーが採用されてからでも良いのでは... という気がします。

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