省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

フィルム黄変部分画像マスク作成スクリプトもアップデートしました

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 Bチャンネル再建法用ImageJプラグインをアップデートしたついでに、フィルム黄変部分画像マスク作成スクリプトもアップデートしました。アップデート内容は16bit版と8bit版の統合で、他の機能変更はありません。

 起動すると、ファイル選択ダイアログを閉じたのちに、16bit / 8bitの選択ダイアログが出ます。ダウンロードはこちらの既存のページからダウンロードして下さい。

 

 なお、本連載記事で紹介した写真補正技法やソフトウェア (Plug-in) は、個人的もしくは非営利用途であれば、自由に使っていただいて構いませんが、本技法を使って何らかの成果 (編集した写真等) を公表する場合は、本記事で紹介した技法を使った旨クレジットをつけて公表していただくことをお願いします。

 また、本ソフトウェアは現状のまま提供されるものし、作者はこれを使ったことによるいかなる損害補償等にも応じられないことを了解の上使っていただくものとします。
 但し、もしソフトウェアのバグがありましたら、ご連絡いただければなるべく改善するよう努めたいと思います。

 

 

 ところで話は違いますが、クモハ11117の写真をアップしたところアクセスが急増しました。1/1には142アクセスと、当サイト開設以来最高のアクセス数となりました。今、11117のページが当サイト注目記事のトップに来ています。やはり実車を見たことのある人が多いため関心を引くのでしょうか? 今まで www.tetsudo.com からのアクセスは5%前後しかなかったのが、いきなり26%と、bingやGoogleに肩を並べるほどアクセスが増えました。

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-3) (2021.1 新バージョン対応)

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目次

1. 本連載記事の概要 

2. 今まで紹介されてきた経年劣化による変褪色写真の補正術 

3. 写真補正の原理    

4. Bチャンネル再建法による不均等黄変・褪色ネガ写真補正の方法                

5-1. 具体的な補正実施手順 - 準備   

5-2. 具体的な補正実施手順 - ImageJによる作業   

5-3. 具体的な補正実施手順 - GIMPによる作業 (本記事) 

6-1. 追加マニュアル補正の実施 - 補正不完全の原因分析と追加補正方針の決定 

6-2. 追加マニュアル補正の実施 - 追加編集作業の実際

補足. GIMPの代わりにPhotoshopで不均等黄変画像の編集を行う

補足. 標準的なBチャンネル再建法(+汎用色チャンネルマスク作成ツール)による黄変写真補正過程

 

※2021.6.14 追記
 この記事のRGB合成サポートプラグイン (2021.6.12公開) 対応版を以下に公開しました。当記事は追記が増えて分かりづらくなっていますので、RGB合成サポートプラグインを導入した方は、以下の記事をご覧になることをお勧めします。

yasuo-ssi.hatenablog.com

5. Bチャンネル補正法による具体的な補正実施手順

5.3 GIMPによる作業

編集作業ワークフロー

 ImageJによる編集素材ファイルの作成が終わりましたら、GIMPを立ち上げます。私の作成したPlug-inのインストールが終わっていれば、GIMPのメニューに下図のように[My Plugins]という項目がありますので、その下の[Photo Adjustment]→[Load Files...] をクリックします。

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 するとファイル選択のダイアログが出ますので、ImageJによる編集素材ファイルを作る変換元のオリジナルファイルを指定します(例では変換元ファイル名がTarget.tifになっています)。

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黄変フィルムBチャンネル再建補正法 ImageJ用プラグイン暫定公開


 先日予告したように、Bチャンネル再建補正法のImageJ用プラグインを暫定公開します。ダウンロード先はこちらです。GIMP用のファイル読み込みプラグインも含まれていますが、今回、素材ファイル名を大幅に変更していますので、GIMPを使用する方はこちらもアップデートしてください。なお、ImageJ用プラグインのファイル名は、File_Maker_for_Photo_Color_adjustment_Ver2.91a.py GIMP用は my-load-files-plugin(Ver1.5).py となっています。なお、変更内容の概要は予告をご覧ください。

 起動方法やプラグインのインストール方法は変わりません。ただImageJ用プラグインを起動すると次のようなダイアログが出ます。最初にファイル選択ダイアログが開きますが、これは従来と同じです。ファイルを指定すると、次はパラメータ入力ダイアログが出ます。

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パラメータ入力ダイアログ

 

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現役時代のクモハ11117 (1975.8)

 2021年、あけましておめでとうございます。果たして今年はどんな年になるやら... で本日は、ネットでは廃車後留置された姿はたくさん写真がアップされていますが、現役時代の写真は珍しい車両の写真をご紹介したいと思います。
 こちらは現在下関総合車両所(旧幡生工場)に廃車後留置されているクモハ11117の現役、可部線時代の姿です。可部線の17m級電車は密着連結器ではなく、自動連結器だったのが非常に特異でした。幌側は密着連結器のようなので、あるいは、混合列車のようにかつて可部線で電車が貨車を牽引するような使い方があったのかどうか... あるいは、山陽線非電化時代に幡生まで貨物列車で牽引する都合とも考えられますが、それでしたら宇部線も同じ条件のはずですが... もともとは日本初の鋼製電車モハ30で、誕生時はモニタ屋根でした。その後屋根は改修され、車号もクモハ11100番台に改番されました。日本初の鋼製電車ですので、本来なら明らかに鉄道記念物に指定されるべき存在ですが(クモハ11 0代はモニタ屋根の原形の旧モハ30でしたが屋根改修で番代消滅となりました)、あまり手入れもされずに留置されているようなので非常に残念です。本来ならば、京都の鉄道博物館が発足した際にそこに収蔵されるべき存在だと思うのですが...

クモハ11117 (広ヒロ)
(2023.2 補正写真入替)
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夜の帳に佇む飯田線クモハ53001 (豊橋駅)

 コロナ禍の2020年ももう過ぎようとしています。皆様この一年はいかがでしたでしょうか。予定されていた大みそか終夜運転も中止になりました。さてひと月ぶりに旧型国電の写真です。終夜運転中止の代わりと言っては何ですが、夜の旧型国電の写真です。こちらは、119系置き換え直前 (1983.6) の豊橋駅にたたずむクモハ53001です。確か、終電一本前の新城行だったと思います。当時、飯田線豊橋口は80系が主流であり、戦前型旧型国電は、早朝深夜と、あとは郵便荷物合造車をつないだ南北直通の数本に限られていたように思います。ただ出入り口の狭い80系が、混雑していた豊橋口にふさわしかったかどうかは疑問でしたが...

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クモハ53001 (静ママ)
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黄変フィルムBチャンネル再建補正法 ImageJ用プラグインアップデート予告

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 コロナに翻弄された2020年も間もなく暮れようとしていますが、皆さん巣ごもり生活はいかがでしょうか? ところで、本サイトで公開している黄変フィルム画像のBチャンネル再建補正法 ImageJ用プラグインを近くアップデートします。アップデート内容は以下を予定しています。

・ユーザがパラメータを選択できるようにすることで、16bit用と8bit用プラグインを統合

・現在のバージョンでは、Bチャンネル遠景補正用レイヤーのマスク素材画像の閾値を、128と90としたものを2枚出力するようになっているが、この閾値をユーザが自由に設定できるようにして、出力を1枚に抑制

・遠景補正用レイヤーの明るさをユーザが調整できるようにする

   ↑

 現在の遠景補正用画像の明るさが、元の画像によっては足りず、補正後の、空の黄変除去跡部分が赤~ピンクがかることがあるため、それをユーザが自分で調整できるようにする

・Bチャンネル周辺部分情報抜け補正のための、補正マスク作成用素材画像の出力

など...

 本格的なアップデートには、編集方法の解説ページから書き直す必要がありますが、それには、ちょっと時間がかかるので、とりあえず、暫定的に別ページにて公開する予定です。

ImageJ+Pythonで汎用ダイアログボックスを利用する

 以下に、ImageJにおいて、Jython (Python)を使って汎用の入力ダイアログボックスを使う方法について書かれたブログがありました。

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