省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ART / RawTherapee

ART : Ver. 1.15における、iccプロファイルクリエーターの移動について

先日(2022.7.18)、ARTが1.15にバージョンアップされました。これに伴い、icc プロファイルクリエーターが移動され、ART-cli.exeから実行するようになりました。端的に言うと、GUIでiccプロファイルを作ることができなくなり、コマンドラインからiccプロファ…

ART と Google Pixel 3a 搭載のカメラアプリのRawファイル

以下のページで、Googleのスマホ Pixel 3a 搭載のカメラアプリのDNGファイルをARTで開くと良い結果が得られないという相談が寄せられていました。 bitbucket.org 結局、自動トーンカーブがうまくカメラの表示を再現できないという問題のようです。Griggio氏…

ART 1.15がもうすぐリリース (→されました)

間もなく、ARTの新バージョン 1.15がリリースされます。 大きな機能追加はなく、一部細かなオプションの追加や動作の改善、バグフィックスが主です。 例えば... iccプロファイルクリエーターの移動および単純化ニュートラルトーンカーブの動作の改善ローカル…

ART 1.14 でUnicodeを使ったメタデータの扱いに不具合

ARTのディスカッショングループの中で、ウムラウトを含むファイル名のファイルを開こうとするとクラッシュする、あるいはメタデータ情報が正しく表示されないという不具合が報告されています。 discuss.pixls.us 原因は、Griggio氏が、exiv2をリビルドする際…

ART と GIMPの連携

ARTのディスカッションフォーラムに、ARTをGIMPのRaw現像プラグインとして動かせるか、という質問が載っていました。 discuss.pixls.us RawTherapeeとは異なり、GIMP側からARTをRaw現像のプラグインとして呼び出すことはできないということは明らかになりま…

トーンイコライザーに追加されたピボット調整機能 - ART1.14 新機能紹介

ART 1.14から新たに加わった機能は、トーンイコライザーのピボット機能です。これはどういう機能かというと、要はトーンイコライザーの明度による適用領域の明度範囲を変更する機能です。例えば以下の画像ですが... オリジナル画像 この画像の、ブラック、シ…

Ubuntu 22.04においてARTが動かない問題について

ARTを配布している bitbucket.org サイトに、Ubuntu 22.04(2022.4.21リリース)においてARTをインストールすると、GLib-GIO-ERRORが出て動かないという問題が報告されています。 bitbucket.org 全く同じ問題が、日本語のUbuntu22.04を使ってみたというPC Watc…

ART Ver. 1.14 が間もなくリリースされます

ARTのバージョンアップ、1.14が間もなくリリースされます。修正の内容ですが、トーンイコライザーへのピボット機能の追加、および、変形タブで レンズ/ジオメトリ となっていたのを、レンズ補正機能とジオメトリ補正機能を分けて表示します。あとはバグフィ…

ARTでフジフィルム Velviaをエミュレートした編集を行う

ARTのフォーラムに、フジのVelviaをエミュレートした S. Sowerby氏作成のLUT(ルックアップテーブル)ファイルを使った画像と、LUTを使わずにARTの編集機能のみでVelviaをエミュレートしてみた結果の比較を載せた記事があります。 discuss.pixls.us また、この…

ARTを使ったネガカラーフィルム画像のポジ化過程 スクリーンキャプチャ動画

ARTのオンラインフォーラムの以下のページに、ARTを使って、デジタルカメラでネガフィルムを撮ったRawファイルをポジ転換しホワイトバランス調整まで行っていく編集過程の、作者である A. Griggio氏によるスクリーンキャプチャ動画が掲載されています。ポジ…

ART (およびdarktable) において一部CANON RFカメラのレンズ情報が不正確になる問題

ARTのフォーラムで、CANONのRFカメラにおいてレンズ情報が不正確になる問題が報告されています。すべて不正確なのではなくレンズの組み合わせによって正しかったり、正しくなかったりするようです。ここで報告されているのは Canon R5を使ったケースですが、…

ART 遠近歪み(パースペクティブ)補正の使い方 - ARTの基本編集操作

今回はARTの遠近歪み (パースペクティブ) 補正の基本的な使い方について説明します。なお翻訳は以前はパースペクティブ補正としていましたが、日本語としてより分かりやすいかと、Ver. 1.12.1から遠近歪み補正に改めました。原語は Perspective correction …

ARTの設定保存ファイルの場所

ARTの設定保存ファイルの場所ですが、Windowsの場合は以下にあります。 C:\Users\%USERNAME%\AppData\Local\ART このフォルダにOptionsというファイルがありますがここに環境設定等で指定した内容や、前回実行したときの設定(最後に参照したディレクトリ等)…

ARTの編集プレビュー画面表示 - ARTの基本編集操作

今回はARTの編集プレビュー画面のいくつかの機能について見ていきます。今回紹介する機能は、基本的にはRawTherapeeと共通です。 ■補正前 / 補正後を画面で比較しながら編集する プレビュー画面の左上に、補正前/後比較モードを切り替えるアイコンがあります…

もうすぐ ART 1.13 がリリースされます (→されました)

間もなく、ART バージョン 1.13 がリリースされます。新しい追加機能ですが、先日以下の記事で書いた通りです。なお以下の記事からちょっと翻訳を見直しています。 yasuo-ssi.hatenablog.com 他に、ダイナミックプロファイルの動作の若干の見直し、OM-1への…

トーン編集 darktable vs. ART

darktableのオンラインディスカッションに以下のような議論が出ていました。 discuss.pixls.us 4年ほど前にdarktableの開発チームに参加し、現在 Ver. 3以降のシーン参照ワークフローの設計を主導している Aurélien Pierre氏の「ベースカーブは良くない」と…

トーンカーブを使ってコントラストやトーンを調整する - ARTの基本編集操作

フリーソフトのRaw現像ソフトの中で世界的に最もユーザの多い darktable では、現在力を入れているシーン参照ワークフローにおいて、伝統的なトーンカーブの使用を推奨しなくなりました。トーンカーブで行っていたような調整はフィルミックRGBを使ったり、ト…

ARTの次期追加機能 - カラー/トーン補正の圧縮 & スムージングのノイズ追加モード 

現在ARTの最新開発版に2つの追加機能がつけられています。 一つは、カラー/トーン補正の圧縮 (原語 compression) スライダーです。 要は、ハイライトとシャドーの差の大きい画像においてその差を縮める機能です。 圧縮スライダー使用前 圧縮スライダー上昇後…

ARTの MacOS用バイナリーファイル

Mac OS版のバイナリーファイルが Ver. 1.5代しかない、ARTですが、ボランティアで1.12.1のバイナリーファイルを公開された方が現れました。以下のpixls.us のディスカッションに、ダウンロード先リンクが公開されています。 discuss.pixls.us 現在、Intel版…

ARTで露出を補正する - ARTの基本編集操作

今回は、ARTで撮った写真の露出を補正する方法です。と言っても難しくありません。すぐわかるかと思います。以下、今回補正する写真をARTに読み込んだところです。 オリジナルRawファイル まず、ハイライトクリッピングしていないか確認してみましょう。クリ…

ARTでホワイトバランスを調整する - ARTの基本編集操作

これから、比較的Raw現像に慣れていない方に向けて、ART / Another RawTherapee の基本編集操作を解説する記事を書いていきたいと思います。 まず写真編集の基本であるホワイトバランス調整です。以の図は、NikonのNEF形式のオリジナルファイルをARTで読み込…

GチャンネルへのRチャンネルのミキシングは様々なフィルムスキャン画像の色被り補正に使える!?

先日、マゼンタがかったネガフィルムスキャン画像の補正にチャンネルミキサーを使ってGチャンネルにRチャンネルの情報をミックスすると、結構補正ができるという記事を書きました。 ところが、どうやら微妙なマゼンタ被りに限らず、様々なフィルムスキャン画…

Tintをどう訳す? : 写真処理ソフトの翻訳語

ARTのホワイトバランスモジュールの下に「色偏差」tint というパラメータがあります。写真をマゼンタ寄りにするか、グリーン寄りにするかを調整するパラメータです。この色偏差という訳語は RawTherapeeの日本語版が採用していたものをそのまま受け継いだも…

マゼンタ (紫) がかったネガフィルムスキャン画像の補正

ネガカラーフィルムをスキャナでスキャンすると、フィルム、フィルムスキャナやドライバによっても異なりますが、全体にマゼンタ(紫)がかることがあります。以下のページでもそのような現象に出会って困っていると書かれておられる方がいるので、これはある…

ART 1.12.1での追加機能: 画像確認におけるマウスによる100%ズーム

ART 1.12.1 で追加された機能として、入力プロファイルに色順応変換オプションが追加されたということは既にお知らせしましたが、もう一つ追加機能がありました。ファイルブラウザ画面における画像確認タブ上の、一番下に1:1 (100%ズーム) 表示アイコンがあ…

ART ユーザーコマンドで「エクスプローラで表示」を追加する

ARTのオンラインディスカッションで、ARTでも、Lightroomの様に、Windows上で「エクスプローラーで表示 (Show in Explorer)」コマンドを追加してほしいという要望が上がっていました*1。これに対して、ユーザーコマンドで機能を追加すれば簡単にその機能が使…

間もなくART 1.12.1 がリリースされます (→されました)

近く、フリーのRaw現像ソフト、ARTが、Ver 1.12.1 にアップデートされる予定です。基本はバグフィックスですが、色順応変換(Chromatic Adaptation Transformation, CAT)機能が追加されるようです。→ 本日(2022.1.30)付でリリースされました。 カラーマネジメ…

ART / RawTherapee ユーザコマンド機能マニュアル

ART にはユーザコマンドという簡単なプラグイン機能があります。ARTの設定保存ディレクトリに簡単な実行命令を書いたテキストファイルを置くことで、ARTのファイルブラウザ上で、コンテキストメニューからユーザが指定した外部実行ファイルを使った命令を実…

ART現像例: 夜間撮影画像の補正

今回は Nikon のカメラを使って夜間に撮影した写真の ART による代替現像例をお示しします。Nikon D5500を使って撮影した元画像が下です。測光はマルチパターンを使用しています。また画像は Rawファイルに含まれる Jpegプレビューイメージです。つまりカメ…

逆光でハイライト/シャドウの差が大きく暗い写真を ART 対数トーンマッピング機能で補正する

先日、Nikon D5500 明暗差の大きいシーンの写真補正テストという記事を公開しましたが、ARTの対数トーンマッピングは、逆光の明暗差の大きいシーンの補正用途にかなり使いやすいです。従来の写真編集ソフトでは、このような補正に、シャドウ/ハイライト機能…