省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ART / RawTherapee

ディスプレイ参照ワークフロー vs. シーン参照ワークフロー

Raw現像ソフトに関連する情報を探していると、シーン参照ワークフロー、だとかディスプレイ参照ワークフローという言葉を見かけます。特に Raw現像ソフトの中では darktable が Ver. 3.0以降、その新しい特徴としてシーン参照ワークフローの採用ということを…

ART 1.17.2が出ました

先程、ART 1.17.2 がリリースされました。1.17.1 からの修正内容は、ネガフィルム機能と霞除去、ダイナミックレンジ圧縮間の支障のフィックス、またピクセルシフトRawファイルの扱いにおけるバグフィックスとなっています。

ART 1.17.1が出る予定です (→でました)

[お知らせ] 1.17.1 のバグフィックス版、1.17.2が出ています。詳細は以下のページを yasuo-ssi.hatenablog.com------------------- ART 1.16.4以降、日本語 (CJK) Windowsで使おうとするとトラブルが生じていました。具体的には、Rawファイルを開こうとする…

そろそろ ART 1.17が出ます (→出ました)

[追記] 日本語 Windowsで ART をお使いの方は、1.17.1 をお使いください。一旦、1.17をダウンロードされた方は、1.17.1以降をダウンロードしなおしてください。 yasuo-ssi.hatenablog.com----------------------------- そろそろ ART の次バージョン、1.17が…

ART 1.16.4 のリリース & 公式プラグインレポジトリの開設

11.1にARTのマイナーバージョンアップ、1.16.4がリリースされています。変更点は、Canonレンズの認識の改善、非圧縮 png 保存のサポート、ファイルブラウザの反応の改善、メモリ不足によるクラッシュの改善等です。詳細は以下をご覧ください。 https://bitbu…

RawTherapee 5.9 rc1、ファーストインプレッション

先日 RawTherapee 次バージョン 5.9 の rc1が出たとお伝えしましたが、動かしてみました。ロゴに5.9と出てきます。でも詳細バージョンは 5.8-3166です。なお、だいぶコードが増えたようで、5.8に比べて起動に時間がかかるようになりました。 Raw Therapee 5.…

ARTをコンパイルしてバージョンアップしようとしてみたら... (Ubuntu)

Ubuntu 20.04 を入れていたマシンですが、8月に 22.04 にアップデートしますか、という表示が出て、果たしてアップデートして大丈夫だろうかとしばらく迷っていましたが、えいやっ、とアップデートしてしまいました。すると予想通り Wayland では ART は動か…

ART 1.16.3 がリリースされています

ARTのマイナーバージョンアップ、1.16.3が、2022.9.27付でリリースされています。バグフィックスやコンパイル時のオプションの追加、トーンカーブ動作の安定化、フィルムシミュレーターのパイプラインの位置の変更等、細かい変更です。 詳細は下記をご参照く…

ART のカラー/トーン補正LUTモードで ARRI Alexa 用のLUTをダウンロードして使ってみた (Windows)

ARTのカラー/トーン補正にVer. 1.16から LUT モードと clf形式のLUTのサポートが追加されましたので、試してみました。Griggio 氏は映像業界で使われている高精度のLUT (ルックアップテーブル) が使えると強調していたので、ARRI の業務用ビデオカメラ、Alex…

ART トラブルシューティング: ダークフレームを使うと画像がおかしくなる?

ARTのオンラインディスカッションに以下のような質問が上がっていました。 discuss.pixls.us 要は、ARTでダークフレームを適用したら画像がおかしくなった、という質問です。答えは、画像ファイルと、そこからノイズを消すためのダークフレーム画像のブラッ…

ARTのホームページから、OpenColorIOのバイナリーがダウンロードできるようになりました

前回、ARTで使うための OpenColorIOのインストール方法について説明しましたが、ARTのホームページで、OpenColorIOの ociomakeclf.exe のバイナリーファイル (Windows & Linux) がダウンロードできるようになりました。 bitbucket.org 上のページの下の方の …

ARTにおけるCLF形式LUT対応 並びに WindowsにおけるOpenColorIOのインストール

ARTの今回 (1.16) のバージョンアップで OpenColorIO Ver. 2に対応した、CLF形式の LUT (ルックアップテーブル) ファイルへの対応をアナウンスしています。それとともに、カラー/トーン補正にLUTモードが新設されました。簡単に言うと、カラー/トーン補正で…

ARTで、すべてのメタデータを編集後のファイルに出力する

pixls.upの ART ディスカッショングループに、次のような質問が掲載されました。 discuss.pixls.us 要は、ARTのデフォルトでは、編集後のファイルに一部のメタデータ (Exif等)しか出力されないが、いつもすべてのメタデータを出力させるにはどうすべきか、と…

ARTをファイルを指定してコンテキストメニューから開けるようにする (Windows)

darktable の windows版はインストールすると、ファイルを指定して右クリックによるコンテキストメニューから開くことができるようになります。しかし、ARTはデフォルトではコンテキストメニューに出て来ません。 ここでは取り敢えず、コンテキストメニュー…

ARTのカスタムプロファイルを旧バージョンから新バージョンへコピーする (Windows)

ART はかなり頻繁なアップデートがあり、また、デフォルトでは、新バージョンを入れると、旧バージョンを上書きするのではなく、各バージョンごとに別々のフォルダにインストールします。これは新バージョンでトラブルが起こったときにすぐ旧バージョンに戻…

ART 1.16がもうすぐリリースされます (→されました)

() フリーの Raw現像ソフト ART の次バージョン、1.16 が間もなくリリースされます。 主な変更点は下記の通りです。 ・トーンカーブの動作の改善・フィルムシミュレーションおよびカラー/トーン補正で、OpenColorIOv2 を使ったLUTファイルのサポート。これに…

Wine を使って Mac OS に ART をインストールする

ARTのディスカッショングループに Mac OSでのコンパイルやバイナリーファイルが上がっています。しかし、アップロードされているバイナリーをインストールしても、エラーメッセージが出て正常に動きません。バイナリーを作っている方は intel版 Mac を使って…

ART : Ver. 1.15における、iccプロファイルクリエーターの移動について

先日(2022.7.18)、ARTが1.15にバージョンアップされました。これに伴い、icc プロファイルクリエーターが移動され、ART-cli.exeから実行するようになりました。端的に言うと、GUIでiccプロファイルを作ることができなくなり、コマンドラインからiccプロファ…

ART と Google Pixel 3a 搭載のカメラアプリのRawファイル

以下のページで、Googleのスマホ Pixel 3a 搭載のカメラアプリのDNGファイルをARTで開くと良い結果が得られないという相談が寄せられていました。 bitbucket.org 結局、自動トーンカーブがうまくカメラの表示を再現できないという問題のようです。Griggio氏…

ART 1.15がもうすぐリリース (→されました)

間もなく、ARTの新バージョン 1.15がリリースされます。 大きな機能追加はなく、一部細かなオプションの追加や動作の改善、バグフィックスが主です。 例えば... iccプロファイルクリエーターの移動および単純化ニュートラルトーンカーブの動作の改善ローカル…

ART 1.14 でUnicodeを使ったメタデータの扱いに不具合

ARTのディスカッショングループの中で、ウムラウトを含むファイル名のファイルを開こうとするとクラッシュする、あるいはメタデータ情報が正しく表示されないという不具合が報告されています。 discuss.pixls.us 原因は、Griggio氏が、exiv2をリビルドする際…

ART と GIMPの連携

ARTのディスカッションフォーラムに、ARTをGIMPのRaw現像プラグインとして動かせるか、という質問が載っていました。 discuss.pixls.us RawTherapeeとは異なり、GIMP側からARTをRaw現像のプラグインとして呼び出すことはできないということは明らかになりま…

トーンイコライザーに追加されたピボット調整機能 - ART1.14 新機能紹介

ART 1.14から新たに加わった機能は、トーンイコライザーのピボット機能です。これはどういう機能かというと、要はトーンイコライザーの明度による適用領域の明度範囲を変更する機能です。例えば以下の画像ですが... オリジナル画像 この画像の、ブラック、シ…

Ubuntu 22.04においてARTが動かない問題について

ARTを配布している bitbucket.org サイトに、Ubuntu 22.04(2022.4.21リリース)においてARTをインストールすると、GLib-GIO-ERRORが出て動かないという問題が報告されています。 bitbucket.org 全く同じ問題が、日本語のUbuntu22.04を使ってみたというPC Watc…

ART Ver. 1.14 が間もなくリリースされます

ARTのバージョンアップ、1.14が間もなくリリースされます。修正の内容ですが、トーンイコライザーへのピボット機能の追加、および、変形タブで レンズ/ジオメトリ となっていたのを、レンズ補正機能とジオメトリ補正機能を分けて表示します。あとはバグフィ…

ARTでフジフィルム Velviaをエミュレートした編集を行う

ARTのフォーラムに、フジのVelviaをエミュレートした S. Sowerby氏作成のLUT(ルックアップテーブル)ファイルを使った画像と、LUTを使わずにARTの編集機能のみでVelviaをエミュレートしてみた結果の比較を載せた記事があります。 discuss.pixls.us また、この…

ARTを使ったネガカラーフィルム画像のポジ化過程 スクリーンキャプチャ動画

ARTのオンラインフォーラムの以下のページに、ARTを使って、デジタルカメラでネガフィルムを撮ったRawファイルをポジ転換しホワイトバランス調整まで行っていく編集過程の、作者である A. Griggio氏によるスクリーンキャプチャ動画が掲載されています。ポジ…

ART (およびdarktable) において一部CANON RFカメラのレンズ情報が不正確になる問題

ARTのフォーラムで、CANONのRFカメラにおいてレンズ情報が不正確になる問題が報告されています。すべて不正確なのではなくレンズの組み合わせによって正しかったり、正しくなかったりするようです。ここで報告されているのは Canon R5を使ったケースですが、…

ART 遠近歪み(パースペクティブ)補正の使い方 - ARTの基本編集操作

今回はARTの遠近歪み (パースペクティブ) 補正の基本的な使い方について説明します。なお翻訳は以前はパースペクティブ補正としていましたが、日本語としてより分かりやすいかと、Ver. 1.12.1から遠近歪み補正に改めました。原語は Perspective correction …

ARTの設定保存ファイルの場所

ARTの設定保存ファイルの場所ですが、Windowsの場合は以下にあります。 C:\Users\%USERNAME%\AppData\Local\ART このフォルダにOptionsというファイルがありますがここに環境設定等で指定した内容や、前回実行したときの設定(最後に参照したディレクトリ等)…