省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

写真補正

ImageJ対応・相対RGB色マスク作成ツール・バージョンアップ (Ver. 0.15)

拙作の相対RGB色マスク作成ツールを再度バージョンアップします。今回追加した機能は、作成したマスクを反転するオプションです。以下のダイアログの図をご覧ください。 相対RGB色マスクツール パラメータ設定ダイアログ ファイル選択ダイアログ、加工対象チ…

相対RGB色マスク画像作成ツールによる画像補正のポイント

先日、相対RGB色マスク画像作成ツールのバージョンアップを公開しました。またこれを使ったカビの痕跡取りや、現像失敗ネガフィルム画像の補正についても公開してきました。このツールで作成したマスクを使って画像補正する際に気づいたいくつかのポイントに…

darktableによるマゼンタがかったカラーネガフィルム画像補正の試み

すでに当ブログの中でマゼンタがかったネガフィルム画像の補正の方法について何度か言及してきました(下記記事参照)。以下の記事では、ART、GIMPおよびImageJ+拙作のツールなどを使ってきました。主としてチャンネルミキシング(GチャンネルにRチャンネルの情…

ARTで露出を補正する - ARTの基本編集操作

今回は、ARTで撮った写真の露出を補正する方法です。と言っても難しくありません。すぐわかるかと思います。以下、今回補正する写真をARTに読み込んだところです。 オリジナルRawファイル まず、ハイライトクリッピングしていないか確認してみましょう。クリ…

現像失敗モノクロフィルム写真のデジタル救済の試み

手持ちの写真で現像処理に失敗した写真があります。これをデジタル的に救済できないかと考えて、まずまずの結果が得られたので、その補正過程を公表したいと思います。 まず現像に失敗したオリジナル画像です。 オリジナル画像 現像タンクの中でフィルムのリ…

ARTでホワイトバランスを調整する - ARTの基本編集操作

これから、比較的Raw現像に慣れていない方に向けて、ART / Another RawTherapee の基本編集操作を解説する記事を書いていきたいと思います。 まず写真編集の基本であるホワイトバランス調整です。以の図は、NikonのNEF形式のオリジナルファイルをARTで読み込…

デジタルカメラを使ったR, G, B別ネガフィルム取り込み法

今回の記事は「白色ライトでネガフィルムをデジタルカメラでスキャンすると色が悪くなる」の続きで、Alexi Maschas氏の記事紹介の後半部分です。 medium.com さて、ではどのようにデジタルカメラでRGB別ネガカラーフィルムのキャプチャを行うのでしょうか。A…

なぜネガカラーフィルムのスキャンにRGB LED光源を使うべきなのか?

本記事は、以下の記事の続編です。 yasuo-ssi.hatenablog.com-------------- さて、上記記事で、Alexi Maschas氏のRGB LED光源でR, G, B別々にネガカラーフィルムをスキャンし、それを合成すべきという議論を紹介しました。その中で、なぜ波長の帯域幅の狭い…

白色ライトでネガカラーフィルムをデジカメ・スキャンすると色が悪くなる!?

最近ネガカラーフィルムの色補正について検索をしていたところ、貴重なWeb記事を見つけました。ネガカラーフィルムのスキャニングをする際に知っておくべき非常に重要な情報と思われますが、しかし少なくとも日本語ではネット上で得られない情報です。それが…

真っ黄色になったスキャン写真の補正

こちらはスキャンしたところ真っ黄色になってしまった写真です。他の方のサイトで、やはり真っ黄色になった写真が掲載されていることから、フィルムスキャナを使った場合に起こりうる、ある程度普遍的な現象のようです。実はこの写真以前黄変ネガの補正の研…

GIMP 写真補正テクニック / モノクロネガフィルム画像のほこり取りを行う

先日拙作のツールとGIMPを使ったデジタル化したモノクロネガフィルム画像のカビ取りの方法について書きましたが、本当はその前にGIMPでの写真編集作業に慣れていない方に向けて、一般的なGIMPでのほこり取りについて解説したほうが良かったように思います。…

GチャンネルへのRチャンネルのミキシングは様々なフィルムスキャン画像の色被り補正に使える!?

先日、マゼンタがかったネガフィルムスキャン画像の補正にチャンネルミキサーを使ってGチャンネルにRチャンネルの情報をミックスすると、結構補正ができるという記事を書きました。 ところが、どうやら微妙なマゼンタ被りに限らず、様々なフィルムスキャン画…

モノクロフィルム・デジタル化画像のデジタルカビ取り補修方法

[おしらせ] この記事には、ツールのバージョンアップに対応した、以下の改訂版があります。 yasuo-ssi.hatenablog.com ------------ すでにカラーポジフィルムをスキャンした画像のカビ取り補修の方法については以下のページに公開しています。 yasuo-ssi.ha…

ImageJ対応・相対RGB色マスク作成ツール・バージョンアップ (Ver. 0.13)

2021年夏に、ImageJ対応 相対RGB色マスク画像作成ツールを改訂し公開し、さらに昨年のクリスマスにバージョンアップを行いましたが、今回さらにバージョンアップしました。今回追加した機能はモノクロ画像のサポートです。今までのバージョンでは1チャンネル…

マゼンタ (紫) がかったネガフィルムスキャン画像の補正

ネガカラーフィルムをスキャナでスキャンすると、フィルム、フィルムスキャナやドライバによっても異なりますが、全体にマゼンタ(紫)がかることがあります。以下のページでもそのような現象に出会って困っていると書かれておられる方がいるので、これはある…

Aurelien Pierre氏による新しいカラーバランス調整の試み

darktableのボランティア・エンジニアである Aurelien Pierre氏が現在開発中である、color-matching pictures という新しいカラーバランス調整の方法を紹介しています。 discuss.pixls.us もちろん、現在開発中なので、現行のdarktableに実装されていません…

ART現像例: 夜間撮影画像の補正

今回は Nikon のカメラを使って夜間に撮影した写真の ART による代替現像例をお示しします。Nikon D5500を使って撮影した元画像が下です。測光はマルチパターンを使用しています。また画像は Rawファイルに含まれる Jpegプレビューイメージです。つまりカメ…

逆光でハイライト/シャドウの差が大きく暗い写真を ART 対数トーンマッピング機能で補正する

先日、Nikon D5500 明暗差の大きいシーンの写真補正テストという記事を公開しましたが、ARTの対数トーンマッピングは、逆光の明暗差の大きいシーンの補正用途にかなり使いやすいです。従来の写真編集ソフトでは、このような補正に、シャドウ/ハイライト機能…

Nikon D5500 明暗差の大きいシーンの写真補正テスト (NX Studio & ART)

本記事の要点 ・Nikon D5500 (および、おそらく他のNikon 一眼、ミラーレスカメラも) で明暗差の大きいシーンを撮るときは、ハイライト域、またはそれに準ずる明度域を基準にスポット測光 & 露出補正して撮影する。マルチパターン測光はハイライト域がクリッ…

ImageJ対応・相対RGB色マスク作成ツール・バージョンアップ (Ver. 0.12)

お知らせ (2022.2) 本ツールの機能追加バージョンアップ版を以下に公開しました。なお、ツールの説明は、本ページの説明および前回公開ページも併せてご覧ください。 yasuo-ssi.hatenablog.com 2021年夏に、ImageJ対応 相対RGB色マスク画像作成ツールを改訂…

HaldCLUT ファイルのフォーマット

先日、ART / RawTherapee および darktable のフィルムシミュレーションについて記事を書きました。その際、フィルムシミュレーションに使うのがHaldCLUTファイルです。Hald というのは語源がよく分からないようですが、CLUTというのは Color Lookup Table …

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (6-2) (2021.12バージョン)

お知らせ この記事には、以下の改訂版(2023.2)があります。 yasuo-ssi.hatenablog.com ------- 本記事は 2021年12月に改訂した新バージョンです。いろいろな情報を追加で盛り込んだ結果分かりにくくなってしまいましたので、整理しなおしました。なお改訂前…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-1) (2021.12バージョン)

お知らせ [2022.7] 当記事には、以下に2022.7.28公開のハイブリッド補正対応版補正ツールに対応した、新たな改訂版があります。ハイブリッド補正版を使われる方は以下の改訂版からプログラムのダウンロードを行ってください。 yasuo-ssi.hatenablog.com ーーーー…

決定版! 不均等黄変・褪色ネガ写真のデジタル補正術 (5-2) (2021.12バージョン)

お知らせ [2022.7] 2022.7.28にハイブリッド・アルゴリズムを実装した新しいImageJ用プラグインを公開しました。それに対応した説明は以下のページをご参照ください。 yasuo-ssi.hatenablog.com [2021.12] 当記事は、2021年12月にアップデートした、ImageJ用…

Bチャンネル再建法プラグインバージョンアップ (2021.12)

ほぼ補正方法が固まってしばらくバージョンアップしていなかった、不均等黄変ネガ写真ファイルを補正するBチャンネル補正法 ImageJ用プラグインを、久しぶりにバージョンアップします。 バージョンアップ内容は下記の通りです。 1. バックグラウンド補正レイ…

G'MICで、AIによるノイズ低減モジュールが搭載されたようです

先日AIを使った話題となっている市販のノイズ低減ソフトウェアについて情報紹介しましたが、フリーソフトウェアでも、GIMPのプラグインソフトウェアであるG'MICで、AIによるノイズ低減モジュールが今月 (11/9) 搭載されたようです。情報は以下にあります。 d…

最近海外で話題の商用写真ファイルノイズ低減ソフト

最近、主としてフリーのRaw現像ソフトの高ノイズ画像に対するノイズ低減力を見てきましたが、商用 (有料) ソフトではどうでしょうか。海外のサイトを見ていると最近話題となっている、機械学習を活用した商用ノイズ低減ソフトには以下の3つがあるようです。 …

新・輝度マスク (Luminosity Mask) 作成ツール

[お知らせ] 本ツールは、以下のページにバージョンアップ版を公開しております。 yasuo-ssi.hatenablog.com ----------- 昨年9月に作成し公開した輝度マスク作成ツールは、Photoshop上で一般的に実践されていた輝度マスク作成方法およびGIMPの公式ページでPa…

Adobe製 Raw現像ソフトに、リニアプロファイルを適用した現像の試み

最近インターネット上で以下の記事を見つけました。 "The Linear Profile: A new beginning in Lightroom and Camera Raw" Tony Kuyper (2021.7.23) https://tonykuyper.wordpress.com/2021/07/23/the-linear-profile-a-new-beginning-in-light-room-and-cam…

Olympus E-5 高ISOノイジー画像の現像比較

さて、先日 darktable3.6.1のノイズ低減が劇的に改善したという報告をしました。では今回カメラを変え、Olympus E-5の高ISOノイジー画像の現像を比較してみます。ISOはE-5の最大値であるISO6400です。 以下100%拡大画像で検討していきます。まずニュートラル…