省型旧形国電の残影を求めて

戦前型旧形国電および鉄道と変褪色フィルム写真を中心とした写真補正編集の話題を扱います。他のサイトでは得られない、筆者独自開発の写真補正ツールや補正技法についても情報提供しています。写真補正技法への質問はコメント欄へどうぞ

ART / RawTherapee

ART 1.11 がリリースになりました

ART / Another Raw Therapee のバージョン1.11がリリースになりました。 ダウンロードは以下のサイトから。 bitbucket.org 主なバージョンアップとして、トーンカーブにニュートラルモードの新設、およびシャープニングの方法に、カスタムRLデコンボリューシ…

ナトリウム灯下で撮った色被りの猫の写真を補正する - ART 写真編集 Tips

ART / RawTherapeeを使って、ナトリウム灯の街路灯下で撮ってオレンジに色被りした猫の写真の補正を解説した、Alexander Korolev氏によるビデオが公開されています。なお、音声は含まれていません。 www.youtube.com ARTでの編集作業の参考になると思います…

ART / RawTherapee 機能紹介 - チャンネルミキサー / 原色補正モード

久しぶりの ART 機能紹介です。ARTのチャンネルミキサーには、本家RawTherapeeにない調整モードがあります。それは、原色補正モードです。 ART チャンネルミキサーのインターフェース チャンネルミキサーのデフォルトである、RGBマトリックスモードというの…

ARM版のiMacでART / Rawtherapeeが動くようです...

ARTのオンラインディスカッションで、ARM版のiMac上でARTが動いたとの報告が上がっています。但し、バイナリーファイルはなく、自分でコンパイルする必要があります。 discuss.pixls.us 報告者の方は、 homebrew を使ってコンパイル&インストールされたよう…

Nikon D3200 RawファイルをARTでNX Studioに似せてみる

ここのところ、フリーの現像ソフトART (Another Raw Therapee) をいじっていますが、先日報告したように、ARTとRawTherapeeのDCPプロファイルの解釈の仕方が違っていることが分かってきました。そこで、まずARTの現像結果をNikonの純正ソフトであるNX Studio…

ローカル編集モジュールを多重に掛ける - ART / RawTherapee Tips

フリーのRaw現像ソフトの中の一つ、darktable の大きな特徴の一つとして、大半の編集モジュールを多重に掛けたり、マスクを掛けることができるということがあります。ARTも、darktableほどではありませんが、ローカル編集タブにある編集モジュールに関しては…

最近のRaw現像ソフトの話題から

・ART (Another RawTherapee) 現行の1.10を微修正した開発版のバイナリーが下記で公開されています。 keybase.pub こちらでは拙訳の日本語ファイルの翻訳の問題点が修正されているほか(特にホワイトバランスのモードの翻訳のダブリ)、トーンカーブにニュート…

ART / RawTherapee 1.10でトーンカーブを元 (1.9.3状) に戻す

ARTでは、複雑なインターフェースをシンプルに使いやすくという方向性が打ち出されています。今回1.9.3から1.10.1のバージョンアップで、トーンカーブが少し、シンプルになりました。 ART 1.9.3 のトーンカーブ ART 1.10.1 のトーンカーブ ART1.9.3では、ト…

フラットフィールド - RawTherapee & ARTの特徴的機能

RawTherapeeおよびARTにはRawタブにフラットフィールドというモジュールがあります。 フラットフィールド これもなんだか名前を聞いただけでは、何の機能やらさっぱりですが、調べてみると、Nikonの現像ソフトでは「イメージダストオフ」、Canonでは「ダスト…

フィルムシミュレーション - RawTherapee & ARTの機能

RawTherapee & ARTの特徴の一つとしてフィルムシミュレーション機能があります。2014年7月のバージョン4.1.49から使えるようになっており、当時無料でフィルムシミュレーション機能が使えるソフトウェアはほとんどありませんでした。Photoshopは 2013年のCS6…

Olympus E-5 高ISOノイジー画像の現像比較

さて、先日 darktable3.6.1のノイズ低減が劇的に改善したという報告をしました。では今回カメラを変え、Olympus E-5の高ISOノイジー画像の現像を比較してみます。ISOはE-5の最大値であるISO6400です。 以下100%拡大画像で検討していきます。まずニュートラル…

HSV / カラーイコライザ - RawTherapee & ARTの特徴的機能

さて、RawTherapee & ARTにあって、他の現像ソフトにない、あるいはあまり見かけない機能紹介の第2回目です。今回取り上げるのはHSVイコライザ(RT)もしくはカラーイコライザ(ART)です。カラータブにあります。 このモジュールの役割は、色(色相)ごとに、色…

カメラプロファイル交換機能 - RawTherapee & ARTの特徴的機能

いままで、ARTとRawTherapee本家の間で大きく変わったモジュールや機能について、紹介記事を書いてきましたが、今後は、RawTherapeeとARTに共通しているが、他の現像ソフトにはない、あるいはあまり見られない機能について紹介記事をぼつぼつ書いていきたい…

ART / RawTherapee Ver. 1.10.1対応 日本語ファイル修正

先日(2021.10.11)アップデートされたART 1.10.xですが、これに含まれている日本語ファイルの翻訳に一部問題を発見したため、フォローとして、このページにアップデート版をアップします。特に、ホワイトバランスのところで、as shot と camera presets を両…

ART: a fork of RawTherapee 入門ガイド (4) - ファイルへ出力

[入門ガイド(1)インデックス画面に戻る] ○ファイルへの変換出力 画面の左上に3つのタブがあります。ファイルブラウザ、キュー、編集です。 最初に、編集をはじめるのにファイルブラウザーからファイルを選びました。ファイルを選ぶと編集タブに移動し、今ま…

ART / RawTherapee 新バージョン 1.10 リリース

フリーのRaw現像ソフト、ART (Another RawTherapee) の新バージョン 1.10が昨日リリースされました。現在最新バージョンは、1.10.1になっています。 bitbucket.org 機能追加としては、ローカル編集の、スムージングに、被写体ぶれ効果、レンズぼけ効果の追加…

ART: a fork of RawTherapee 入門ガイド (3) - 簡単な編集

[入門ガイド(1)インデックス画面に戻る] 以下は、前回読み込んでおいた画像です。この画像に対して簡単な編集作業を行います。 〇簡単な現像処理ステップ 右パネルにある現像処理ツールを使った、簡単な現像事例をお見せします。 右上にメインツールグループ…

ART: a fork of RawTherapee 入門ガイド (2) - 編集画面

[入門ガイド(1)インデックス画面に戻る] 〇画像を開く 編集画面に移るには、絞り込みパネルもしくは画像確認パネルのサムネイル画像をダブルクリックします。 編集画面 編集画面には、一連のツールやコントロールがありますが、次の3つのパネルにまとめられ…

ART: a fork of RawTherapee 入門ガイド (1) - ファイルブラウザ画面

今まで、ART (Another Raw Therapee) の機能紹介を書いてきましたが、今回は入門記事です。ARTのクイックスタートを参考にしながらアレンジして、4回に分けて書いてみます。 インデックス (1) ファイルブラウザ画面 (本記事) (2) 編集画面 (3) 簡単な編集 (4…

ART / RawTherapee 機能紹介 - テクスチャ増幅

今回紹介する、ART / RawTherapeeのモジュールはテクスチャ増幅です。このモジュールはもともとはRawTherapeeのトーンマッピングを改名、改善したもののようですが、2020年の夏バージョン(1.5.2)からAgriggio氏がアルゴリズムを書き改めたようです*1。場所は…

ART / RawTherapeeとカメラプロファイル

さて、ART1.9.3のカメラプロファイルの扱いですが、RawTherapee5.8と違っている点に最初に気づいたのは、カメラ固有プロファイルを適用したときのトーンカーブの自動調整の扱いです。前にも述べましたが、本家5.8だとカメラのDCPプロファイルを指定し、トー…

ART / RawTherapee 機能紹介 - メタデータ編集

今回は、ART / RawTherapeeにおけるメタデータ編集機能に関して紹介します。メタデータ編集機能に関して、RawTherapee本家と大きく違うのはメタデータ編集エンジンにExiftoolを使っている点です。このため、RawTherapeeに比べて、編集できる余地が大きく増え…

ART / RawTherapee 機能紹介 - スムージング関連

すでに、Raw現像ソフトのノイズ低減処理の比較検証を行ったときに紹介していますが、ART(1.9.3)では、RawTherapee5.8にない、スムージングというモジュールが増設されています。目的は名前から分かるように、画像の粒子の荒れを抑えて(荒れをぼかして)画面を…

ART / RawTherapee 機能紹介 - カラー/トーン補正

[2023.2 補訂] Ver. 1.12 (2021.12) 以降のユーザインターフェース改善に合わせて画面キャプチャを更新しました。また一部記述を補訂しました。 ----------- 今回はART / RawTherapeeのカラー/トーン補正について説明します。このモジュールは、色相を調整す…

ART / RawTherapeeはCanon EOS R5, 6等に対応しています

今、Adobe Lightroom / Camera Rawが、Canonの EOS R5, 6, 1DX MarkIIIに対応したカメラ固有プロファイルがなく (これらのカメラに対応したAdobe Standardプロファイルはある)、これらのカメラのRawファイルを読み込むと色がおかしくなってしまうことが問題…

ART / RawTherapee 機能紹介 - トーンイコライザ

トーンイコライザもやはりRawTherapee5.8に登載されていない機能です。因みに、これはdarktableで先行して採用されていて、darktableのシーン参照ワークフローではトーンカーブの代わりに、フィルミックRGBやトーンイコライザを使うことを推奨しています。い…

ART / RawTherapee 機能紹介 - 対数トーンマッピング

[お知らせ] 本記事は、2022.12に一部記述(トーンマッピングを使った割り付けをめぐる ART とdarktable の差に関する情報)を補訂しました。 ------------ ARTの対数トーンマッピング(log tone mapping / 露出タブにあり)も、RawTherapee本家5.8には搭載されて…

ART / RawTherapee 情報インデックス

[ART の最新バージョンは、 2024.4.10にリリースされた1.21.3です。また Ver.1.11 より (2021.11.30リリース) Raw読み込みエンジンがLibRawとなり、対応カメラ数は、フリーウェアRaw現像ソフト中最強となりました] [New! 2024.4] ・2024.4.10 に Ver. 1.21.3…

ART / RawTherapeeのマスク編集方法

ART / RawTherapeeには、本家5.8にはない、ローカル編集タブが追加されています。ローカル編集タブは本家5.9開発版には搭載されているようですが、5.9の安定リリース版はまだ出ていないので、先取りして搭載されています*1。 このローカル編集タブにあるモジ…

ART / RawTherapeeによるネガフィルム画像のネガポジ反転編集 (付スポット除去編集の方法)

[お知らせ] ART Ver. 1.17 (2022年11月リリース) 以降、ネガフィルムモジュールが刷新されました。新しいネガフィルムモジュールの解説は以下の記事をご覧ください。なおスポット除去編集に関する当記事の記述は依然有効です。 yasuo-ssi.hatenablog.com ---…